若い 頃 には しなやか で 弾力性 が あった 血管 が、年 を 取る に つれて 硬くなり、
内側 に コブ が できて 血液 の 通り道 が 狭く なったり、血管 が 切れ やすく なって し
まったり する という のが 血管 の 老化 です。 この 血管 の 老化 ---- つまり は「 動
脈 硬化 」にも、実は「 炎症 」が 深く 関わって いる のです。
更に 言えば、老化 だけ では なく、糖尿病、ガン、うつ、アルツハイマー 型 認知症、
アトピー 性 皮膚炎 と いった 現代人 に 増えて いる 病気 にも、「 炎症 」と いう 共通
の 原因 が 隠れて いる ことが 最近 の 研究 で 分かって きて います。
本来、「 炎症 」は 有害 なもの では ありません。
私達 の 身 を 守り 癒やす「 治療 プロセス 」「 免疫 システム 」です。
体 は 外部 からの 有害 な ” 侵入者 ” を 排除 したり、組織 が 傷つくと その 傷 を 修復
しよう と したり します。 その 過程 に 起こる のが「 炎症 反応 」なの です。
分かり 易い ところ で 言え ば、蚊 に 刺される と 直ぐ に 赤く 腫れ ます ね。 触る と
温かく 感じ ます。 この 場合、痛み と 言う よりも 痒み です が、これも 典型的 な 炎症
です。
蚊 の 唾液 に 入って いる 物質( 体 に とって の 異物 )に 反応 して、排除 しよう と
した 結果、「 炎症 」と いう 反応 が おこる の です。
これらは 医学的 に「 急性 炎症 」と 呼ばれて います。
しかし、炎症 が「 慢性的 」に なる とき、深刻 な 問題 を 引き 起こし ます。
急性 炎症 の 原因 と なった もの を ずっと 排除 できな かった り、免疫系 の アンバラ
ンス、加齢 などの 理由 で、炎症 を 長期間 に わたって「 消火 」でき なく なった とき
( 慢性 炎症 )、免疫系 の 暴走 が 始まり、体 を 攻撃 し 始め ます。
慢性 炎症 に よって、本来 は 攻撃 対象 では ない「 健康 な 組織 」も 攻撃 され、臓器
が 破壊 され、やがて 様々 な 生活 習慣病 が 発症 したり、老化 が 恐ろ しい ほど 加速 し
たりする の です。
「 慢性 炎症 」の いちばん 恐ろしい ところ は、自覚 症状 が 殆ど ない ところ です。
更に、自覚 症状 が ない のに、慢性 炎症 を 起こ して 深刻 な 損傷 を 受けた 部位 は「 元
には 戻ら ない 」と いう 非常 に 厄介 な 性質 を 持って います。
「 実は 慢性 炎症 が 原因 だった 」と いう 事を 示す 象徴的 な 話 が あります。
それは、ぜん息 治療 の 進化 です。
今で こそ「 ぜん息( 気管支 ぜん息 )」は、「 気管支 で ごく 弱い 炎症 が 続いて いる
病気 」と 捉え られる ように なり ました が、そう 分かった のは 比較的 最近 の こと。
以前 は、ぜん 息 の 発作 が 起こって いる 時に だけ 気道 が 狭く なって いて、発作 が
ない 時には すっかり 正常 な 状態 に 戻って いると 考え られて いま した。 「 原因 は 分
から ない けれ ども 気道 の 収縮 を 繰り 返す 病気 」と 捉え られて いた の です。
だから、治療 の 主役 は、「 気管支 拡張薬 」でした。 気道 が 狭く なって 起こる とい
う 困った 症状 が ある の だから、対症 療法 として、気道 を 広げて あげよう と いう のが
第一の 治療法 だった わけ です。
ところ が、発作 が 起こって いない 時にも 慢性的 に 弱い 炎症 が 続いて いる こと が 分
かり、治療法 は ガラリ と 変わり ました。 吸入 ステロイド 薬 など、「炎症 を 抑える こ
とに 焦点 を 置く 治療法 」に 変わって いった の です。
その 結果、ぜん 息 で 亡く なる 人 は 劇的 に 減り ました。 1995 年 には 国内で 7000
人を 超えて いました が、2000 年 には 5000 人 を 下回り、今 では 2000 人 を 切る ほど に。
病気 の ベース に ある「 慢性 炎症 」の 存在 に 気づいた ことで アプローチ が 変わり、
根本的 な 治療 が 出来る ように なり、沢山 の 命 を 救える ように なった の です。
医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! ” より
内側 に コブ が できて 血液 の 通り道 が 狭く なったり、血管 が 切れ やすく なって し
まったり する という のが 血管 の 老化 です。 この 血管 の 老化 ---- つまり は「 動
脈 硬化 」にも、実は「 炎症 」が 深く 関わって いる のです。
更に 言えば、老化 だけ では なく、糖尿病、ガン、うつ、アルツハイマー 型 認知症、
アトピー 性 皮膚炎 と いった 現代人 に 増えて いる 病気 にも、「 炎症 」と いう 共通
の 原因 が 隠れて いる ことが 最近 の 研究 で 分かって きて います。
本来、「 炎症 」は 有害 なもの では ありません。
私達 の 身 を 守り 癒やす「 治療 プロセス 」「 免疫 システム 」です。
体 は 外部 からの 有害 な ” 侵入者 ” を 排除 したり、組織 が 傷つくと その 傷 を 修復
しよう と したり します。 その 過程 に 起こる のが「 炎症 反応 」なの です。
分かり 易い ところ で 言え ば、蚊 に 刺される と 直ぐ に 赤く 腫れ ます ね。 触る と
温かく 感じ ます。 この 場合、痛み と 言う よりも 痒み です が、これも 典型的 な 炎症
です。
蚊 の 唾液 に 入って いる 物質( 体 に とって の 異物 )に 反応 して、排除 しよう と
した 結果、「 炎症 」と いう 反応 が おこる の です。
これらは 医学的 に「 急性 炎症 」と 呼ばれて います。
しかし、炎症 が「 慢性的 」に なる とき、深刻 な 問題 を 引き 起こし ます。
急性 炎症 の 原因 と なった もの を ずっと 排除 できな かった り、免疫系 の アンバラ
ンス、加齢 などの 理由 で、炎症 を 長期間 に わたって「 消火 」でき なく なった とき
( 慢性 炎症 )、免疫系 の 暴走 が 始まり、体 を 攻撃 し 始め ます。
慢性 炎症 に よって、本来 は 攻撃 対象 では ない「 健康 な 組織 」も 攻撃 され、臓器
が 破壊 され、やがて 様々 な 生活 習慣病 が 発症 したり、老化 が 恐ろ しい ほど 加速 し
たりする の です。
「 慢性 炎症 」の いちばん 恐ろしい ところ は、自覚 症状 が 殆ど ない ところ です。
更に、自覚 症状 が ない のに、慢性 炎症 を 起こ して 深刻 な 損傷 を 受けた 部位 は「 元
には 戻ら ない 」と いう 非常 に 厄介 な 性質 を 持って います。
「 実は 慢性 炎症 が 原因 だった 」と いう 事を 示す 象徴的 な 話 が あります。
それは、ぜん息 治療 の 進化 です。
今で こそ「 ぜん息( 気管支 ぜん息 )」は、「 気管支 で ごく 弱い 炎症 が 続いて いる
病気 」と 捉え られる ように なり ました が、そう 分かった のは 比較的 最近 の こと。
以前 は、ぜん 息 の 発作 が 起こって いる 時に だけ 気道 が 狭く なって いて、発作 が
ない 時には すっかり 正常 な 状態 に 戻って いると 考え られて いま した。 「 原因 は 分
から ない けれ ども 気道 の 収縮 を 繰り 返す 病気 」と 捉え られて いた の です。
だから、治療 の 主役 は、「 気管支 拡張薬 」でした。 気道 が 狭く なって 起こる とい
う 困った 症状 が ある の だから、対症 療法 として、気道 を 広げて あげよう と いう のが
第一の 治療法 だった わけ です。
ところ が、発作 が 起こって いない 時にも 慢性的 に 弱い 炎症 が 続いて いる こと が 分
かり、治療法 は ガラリ と 変わり ました。 吸入 ステロイド 薬 など、「炎症 を 抑える こ
とに 焦点 を 置く 治療法 」に 変わって いった の です。
その 結果、ぜん 息 で 亡く なる 人 は 劇的 に 減り ました。 1995 年 には 国内で 7000
人を 超えて いました が、2000 年 には 5000 人 を 下回り、今 では 2000 人 を 切る ほど に。
病気 の ベース に ある「 慢性 炎症 」の 存在 に 気づいた ことで アプローチ が 変わり、
根本的 な 治療 が 出来る ように なり、沢山 の 命 を 救える ように なった の です。
医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! ” より