「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

リンパ を翻訳すると?
 リンパ という言葉は、ラテン語で 「 清水の流れ 」 を意味します。 リンパ という言葉は古代
ローマの時代から使われていましたが、「 リンパ管 」 が発見され広く知られるようになったの
は、十七世紀半ばのデンマークの医師 トーマス・バルトリン によります。

 日本では [ 解体新書 ] に初めて登場しますが、当時は 「 ワアテルハッテン 」 といい、「
」 と訳していました。
 何故 「 リンパ 」 が 「 水道 」 なのでしょうか?

 血液 は、毛細血管 を介して 動脈 静脈 が繋がり体内を循環しています。 毛細血管 では
物質交換が行われるため、血液成分の一部の液体 ) が少し漏れて、また少し が戻る
ということが起こっているのです。

 心臓 から勢いよく出た 血液 は、徐々にスピードが減速し、血圧 も下がりながら 毛細血管
入り口にたどり着きます。 ここではまだ 血圧 が高く、その圧力で が出ていきます。 
 その出ていった 毛細血管 の下流のほうで回収するわけですが、これは タンパク 質
濃度差 を利用して行われています。

 物質に 濃度差 がある時は、濃度の低い方から高い方に物質が移動します。 これを 「 浸透
」 といいます。 漬物 を作る時、キュウリに をまぶすと余分な水分が抜けて美味しく漬か
るのも 「 浸透圧 」 を利用したものです。

 血液 の中には タンパク質 がありますが、血管 の外には タンパク質 がありません。 そこで、
管壁 を隔てて、濃度の高い血管内に を引き寄せる力が働くわけです。 普通は 塩水 など
電解質イオン ) を 浸透圧 といいますが、この場合は タンパク質 という 巨大分子 浸透
なので 「 膠質浸透圧 」 といいます。

 こうして、出た の量だけ戻ってきてバランスがとれれば 「 めでたしめでたし 」 なのですが、
実は出たっきりで戻ってこない があるのです。 その量は、血液量 の約 2000分の1。 
 迷子 になった が向かう先 ーーー それが リンパ管 です。 毛細血管 から溢れた を、別
途回収 して静脈 に戻すのが リンパ管 の仕事です。

 リンパ管 が 「 水道 」 と訳されたのは、こうした働きに由来しているのですね。

浮腫む のは何故?
 長時間立ち続けたり、椅子に座ったままでいると、浮腫ことがあります。 特に 女性
足が浮腫んでブーツのファスナーが締まらない 」 という経験があるのではないでしょうか。

  どうして 浮腫 のでしょうか?
 
 運動 が少なくて立ちっぱなしでいると、筋肉 の力で 静脈血 を押し上げることが出来なくなり、
はなかなか 心臓 に戻れません。 そうすると、毛細血管 に大きな圧力がかかって が漏れて
しまうのです。

 これを リンパ管 が回収するわけですが、リンパ管 静脈 のような仕組みをしています。 リンパ
は平べったい形をしており、内壁 には が付いています。 体を動かすと、筋肉 の動きによっ
リンパ管 が押されたり広がったりして リンパ液 が流れていきます。 そのため、身体を動かさな
いで いると リンパ液 静脈血 と一緒に流れが滞ってしまいます。

 こうして戻れなくなった が溜まり、浮腫でしまうわけです。 しかし、足を動かしたり歩いたり
すると、リンパ液 が血管の中にどんどん回収されていくので、浮腫は解消されます。

 男性に比べて 女性 浮腫が多いのは、血液中の タンパク質 の量が男性よりも少ないからで
す。 つまり、血管の 膠質浸透圧 の力が弱いからで、リンパ管 というより 静脈 の問題なのです。

 同じようなことが 栄養失調 でも起こります。 飢餓 に苦しむ 発展途上国 の子供たちは、栄養失
調 お腹 が大きく膨らんでいます。 これも タンパク質不足 のために、膠質浸透圧 が低下して、
回収できなくなった お腹 に溜まっていることが原因です。

リンパ管 にとって 免疫 はついでの仕事
 もし リンパ管 がなかったら、漏れた が戻れなくなり、浮腫 でしまいます。 がん の手術を
して脇の下の リンパ節 を切除すると、リンパ管 が詰まって腕がパンパンに膨れる リンパ浮腫 とい
う症状が現われます。

 多くの人は リンパ管 免疫器官 だと思っていることでしょう。 しかし、これまで記してきたように、
本来は 毛細血管 から漏れた を回収する受け皿であり、循環器 の一部なのです。 しかし、” た
またま ” リンパ節 免疫細胞 が集まっていることから、免疫系 の拠点にもなっています。

 血管でいうところの 「毛細血管」 と同じ様に、リンパ管 には幹から枝分かれした 「毛細リンパ管
があります。 リンパ管 の末端は オープン になっているため、水分 だけではなく 異物 でも何でも
取り込んでしまいます。 この状態のままで 静脈 に戻すのは大変に危険です。 そこで、リンパ管
の所々に リンパ節 という フィルター を置き、そこで処理して無害なものにしてから 静脈 に戻して
いるのです。

 何でも取り込んでしまう リンパ管 は、外敵 異物 にとって絶好の標的になります。 その対策
として、リンパ節 免疫細胞 を集めて、を迎え撃つのです。 免疫細胞 には リンパ球 などが
あり、細菌ウイルス と戦っています。

 こうして、リンパ節 防衛 の砦としての役目を担うことになりました。

 しかし、リンパ管 が運んでいるのは、余り物 異物 だけではありません。 で吸収した 栄養
のうち、ブドウ糖 アミノ酸 のような分子の小さいものは 毛細血管 に入れますが、中には入
れないものもあるのです。 それが 脂肪 です。 脂肪 リンパ管 に入り、リンパ管 を通って 静脈
に戻っています。

リンパ節 が腫れるのは?
 リンパ節 のある場所は、から突き出た 付け根 です。 が突き出ているから付け根の
が突き出ているから付け根の 脇の下が突き出ているから付け根の 鼠径部 に存在してい
ます。 触ると 硬くてグリグリ するのでわかると思います。 私達の全身には、約800個 リンパ
があるのです。

 これらの場所は、リンパ液 が戻ってくる途中の 関所 のようなものです。 防衛部隊である 免疫
細胞
を集めることで不審者を チェック して、悪者 と判明すると撃退して侵入を食い止めています。

 つまり、リンパ節 が腫れて 痛みや熱 がある時は、何らかの 病原体 が侵入し、リンパ球 たちが
戦っている証拠です。 そして、戦いが終わった後は、マクロファージ などの 貪食細胞 病原体
の残骸
を食べて綺麗にしてくれるのです。 貪食細胞 とは、その名の通り 異物 を見つけると 食い
殺し
たり、分解 したりして処理する 掃除屋 のような 細胞 です。

 リンパ管 動脈 沿いに走っており、内臓 の近くにも連綿と存在しています。 内臓領域 リン
パ節
が必要なのは、内臓 外界 と接しているからです。 呼吸 することで 呼吸器 には チリや
細菌
ウイルス が侵入しますし、食事をすれば 食物 と一緒に 消化器 にも 病原体 が侵入します。
その防衛 のために、リンパ節 内臓領域 にも備わっているのです。

 そのため、ご遺体 を解剖すると、殆んどの人の の周囲の リンパ節 真っ黒 になっています。 
外界 から吸い込んだ チリや排ガス などが リンパ節 に集まっているからです。

                                                                 坂井建雄 著 ” 面白くて眠れなくなる人体 ” より






 

 試験前日の徹夜の猛勉強。 一夜づけ 覚えた内容が、試験問題に出て救われた人もいる
のではないでしょうか?

 一夜づけ 意外と効果があるものです。 しかし、数日後には、覚えた内容をすっかり忘れて
しまいます。 このような一日や数日の記憶を 「 短期記憶 」 といいます。

 短期記憶 は、の 「 海馬 」 という場所に 一時保存 されます。 これは、スーパーで何を買うか
を覚えるという、メモ書のような直ぐに忘れてもいい 記憶 です。

 これに対して、ずっと覚えている 記憶 を 「 長期記憶 」 といいます。 長期記憶 は、海馬周辺
記憶の回路 をぐるぐる回るうちに 「 大脳皮質 」 で整理されて、記憶 が定着して長期保存 されま
す。 自分の 住所や電話番号、大切な人の 誕生日 などは 「 長期記憶 」 です。

 憶の回路 は、繰り返し思い出すことで保存し直されて強化されていきます。 そのため、一夜
づけ で出来た回路は、しばらく使わずにいると消えてしまうのです。

 しかし、一夜づけ 記憶 も定期的に復讐することで、長期記憶 として保存されるようになります。
記憶力 のいい人は、常に覚えたことを思い出して 記憶の回路 を活性化しているので、直ぐに思い
出すことが出来るのです。

                          坂井建雄 著  ” 面白くて眠れなくなる人体 ” より
 

人間 は優れた 親指 を持っている
 皆さんは、親指 を使わずに 洋服のボタン を留めたり、本のページ をめくることができますか?
 出来ないことはありませんが、時間 がかかりますし、多くの人が 不便 に思うのではないでしょう
か。 このように、親指 はとても重要な 役割 を担っています。

 人間 の手は、親指 手のひら 向き合い、対立 して動くことで が入り、物をつかめるように
なっています。 このような構造は、人間 だけに見られる特徴です。 サル をはじめとする他
動物 親指 は、手のひ対立 させることは出来ません。 まさに 人類 親指 を進化させ
たことで、しっかりと物をつかみ、道具を操れるようになったのです。

 人間 親指 は、とても贅沢で特別なつくりになっています。 まず、親指 の付け根の関節は、
の股 を開いたり閉じたりと 二方向 に動かすことが出来ます。 しかも、親指 を動かすだけの 筋肉
も付いています。

 そのうちの 手のひら 前腕 の前側の曲げる方に、残りの は後面の伸ば
す方に付いています。 更に、を入れると浮き出してくるのでわかると思いますが、三本
いています。

 これほど複雑な構造をしているのは 人間 だけで、サル の場合は 親指 を曲げる 前腕 からきて
いる 筋肉 が、他のを曲げる 筋肉 とくっ付いています。 そのために 「 親指の独立した動き
はできません。

 サル から進化していく間に 親指 は徐々に形づくられ、人類 になる時には 「 親指の対立 」 を獲
得することで、大いに発展を遂げたのです。

直立二足歩行 するために は進化した  
 
人間 は、だけを特別に進化させたわけではありません。 で物をつかむには、歩行
の役割から解放する必要がありました。 犬や猫 のように、歩行 に使っているうちは進化
できません。 人間 二足 で歩きだしたことで、歩行 から解放して、物をつかむ という新た
な役割を担うことが出来たのです。 そして、を支えることに努め、歩行 走行 をしても
バランスが崩れないように発達しました。

 また、直立して 背骨 を縦に真っ直ぐにすることで、重たい も少ない力でバランスよく支えられ
るようになりました。 このおかげで、も大きくすることが出来るようになりました。

 直立二足歩行 をすることで、特に形が変化した部分は おの回りです。 骨盤 股関節 、お
筋肉 が、類人猿 とは大きく違っています。

 人間 チンパンジー などと比較して お筋肉 が発達しているので、膨らみがあります。 
これは 「 気を付け 」 の 直立姿勢 を保つ働きがあるからです。 また、おの筋肉は、骨盤 の後
面から 大腿骨 の後面まで張ることで 股関節 を伸ばし、大腿骨 を固定することで、歩行 の際に
地面についた の上に を引き上げることを可能にしました。

 骨盤 の形も、腹部の 内臓 の受け皿となり、重力 の作用で 内臓 が下がるのを防ぐために、大き
く左右に張り出しました。 このように 直立二足歩行 をするようになった 人間 は、それに対応して
骨格 筋肉 も大きく変化させたのです。

人間 下肢 は百八十度捻じれた?
 人類 直立二足歩行 をするようになって 股関節 を伸ばしたことで、四足動物 とは逆の 手足
の付き方に変わりました。

 爬虫類 は、おを地面につけて 手足 が 「 体の真横 」 に出ています。 それが、哺乳類 に進
化すると、手足 の下に入れ、おを地面から離すようになりました。

 このとき、は 「 肘の出っ張った側が後ろ向き 」 になるように、は 「 膝の出っ張った側が
向き
」 になるように 回転 しました。 しかし、手と足 指先 は、もともと と同じ方向を向
いています。 は良いのですが、このままでは 指先 が後ろ向きになってしまいます。
 そこで 哺乳類 は、前腕 (手首から肘まで)の二本の骨を百八十度捻じり、指先 が前に向くよう
に進化しました。

 人類 は、直立二足歩行 になりますが、この時に面白いことが起こりました。

 人間 の立った姿勢を見ると、は前面に曲がるように、は太ももの前面に曲がるのではな
く伸ばすようになるという、逆向の現象が起こりました。

 実際に、神経 を見ても、後ろ側と前側が入れ替わったことがことがわかります。 後ろ側の
は前側にある を伸ばす 筋肉 に向かい、前側の 神経 は後ろ側にある を曲げる 筋肉 に向
かっているのです。 こんなところにも、進化の名残を見ることが出来ます。

二足歩行 に関する新しい学説
 そもそも 人類 二足歩行 を始めたのは何のためでしょう?

 長年にわたって 人類学者 が唱えていたのは 「 気候変動で森林が減り、開けた場所を長距離
移動 しなければならなくなったために効率の良い二足歩行 をするようになった 」 という説です。

 ところが 「 貴重な資源を一回で沢山持ち運ぶために二足歩行をするようになった 」 という説が、
先頃(2012年3月20日)米国の科学誌 { カレント・バイオロジー } 電子版に掲載されました。
発表したのは、京都大学霊長類研究所 の松沢哲郎所長らによる国際チームです。

 記事によると、「 野生のチンパンジーに、食べ慣れているアブラヤシというナッツと、普段は手
入らない貴重なクーラというナッツを与え、食べる様子を観察した
」 というものでした。

 その結果、アブラヤシ だけを与えた時には、チンパンジー 仲間 で分け合って食べていまし
た。 ところが、アブラヤシの中に クーラ を少し混ぜると、両手 クーラ だけを拾い集め、
二足歩行 仲間 から離れて場所を移動したということです。

 しかも、二足歩行 をする頻度が、アブラヤシの時より 四倍 も多くなっていたいうのです。

 つまり、チンパンジー たちは、クーラ 貴重な資源 と認識し、確保するために 二足歩行 をしたと
いうわけです。

 諸説 ありますが、私達の 祖先 二足歩行 をするようになったのは、果たしてどんな理由からだ
ったのでしょう?

                                 坂井建雄 著 ” 面白くて眠れなくなる人体 "  より


  


 

↑このページのトップヘ