「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

「 第三 の 脂肪 」とは?
 食べ 過ぎると、余った エネルギー は「 中性 脂肪 」として「 脂肪 細胞 」に
蓄え られ、脂肪 細胞 が パンパン に 大きく なり、限界 を 超えると 数 も 増え
て いきます。 そう やって 皮膚 の 下 に 集まって いる 脂肪 細胞 が 大きく な
ったり 数 が 増える と「 皮下 脂肪 」が 増え 、お腹 周り に 集まって いる 脂肪
細胞 が 大きく なったり 数 が 増える と「 内臓 脂肪 」が 増える のです が、も
っと 増えて、皮下 脂肪 にも 内臓 脂肪 にも 入り きらなく なると、行き 場 を 失
った 脂肪 は、「 脂肪 細胞 以外 」の 所 に 入り 込み ます。

 なんと、心臓 や 肝臓、膵臓、筋肉( 骨格筋 )など、本来 は 脂肪 が つく はず
の ない 所 に 居 座る ように なる
の です。 心臓 の 心筋 細胞、肝臓 の 肝細胞、
膵臓 の β 細胞、骨格筋 の 筋細胞 など、本来 は 中性 脂肪 を 細胞内 に 溜め 込む
性質 を 持たない 細胞 に、場違い にも 蓄積 されて しまい ます。

 それが、” 第三 の 脂肪 ” こと、「 異所性 脂肪 」です。

 本来 つく はず の ない ところ に 脂肪 が 付く の だから、勿論、好ましい こと
では ありません。 「 異所性 脂肪 」が 蓄積 される と、そこで くすぶり が 生じ
ます。

 例えば、肝臓 に 余計 な 脂肪 が たくさん つく と、そこで 炎症 が 起きて、肝臓
の 細胞 が 弱って 死んで いって しまい ます。 それを、免疫 細胞 の 一つで ある
「 マクロファージ 」が 取り 囲んで パク パク と 食べ 続ける ため、炎症 が 続き、
肝炎 を 発症 して しまう。
 この タイプ の 肝炎 を、「 非 アルコール性 脂肪性 肝炎( NASH )」と いい
ます。

 また、肝臓 や 筋肉 に 余計 な 脂肪 が つく と、インスリン の 効き が 悪く なる
ことも 分かって います。
 肝臓 や 筋肉 は、インスリン の 手助け を 得て、血液中 の ブドウ 糖 を 取り 込
んで エネルギー として 蓄えて います。 ところが、「 異所性 脂肪 」が 増える
と、インスリン に 対する 反応 が 悪く なり、糖 の 取り 込み が 滞る の です。

 更に 怖い のが、心臓 の 周り に ついた 脂肪 です。
 この 脂肪 は、心臓 の 血管 に 酸素 や 栄養 を 送る「 冠動脈 」に 細い 血管 を
伸ば し、炎症 を 起こす 物質 を 送り 込ん で、冠動脈 を くすぶらせ、老化 を 進

める こと が 分かって います。

 しかも、こうした 老化 は、冠動脈 の 内側 から 起こる 通常 の 老化( 動脈硬
化 )よりも 速い スピード で 進み、心臓 に 栄養 を 送る 大切な 冠動脈 を 詰まら
せて しまう 恐れ が ある ため、かなり 危険 な 存在 です。

 「 異所性 脂肪 」と いう のは、本来 は いるはず の ない 所 に 余計 な 脂肪 が
居 座って いる わけ です から、体 に とって は、ある 意味、” 見 慣れ ない 怪し
い奴 ” 。 だから、攻撃 対象 と なって 炎症 を 招き、ジワ ジワ と 体 を 蝕んで
しまう の です。


   医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より

 


 

太る と「 脂肪 」は ワル く なる
 
脂肪 細胞 が 大きく なって 数 も 増える と、その ” 働き ” も 変わって きます。
 脂肪 細胞 は、他 の 免疫 細胞 などと「 脂肪 組織 」と いう チーム を 組ん で、
色々な 働き を して いる
の です。

 ◎ エネルギー が 必要 に なった 時 に 脂肪 を 分解 して 全身 に 供給 する
 ◎ 内臓 を 正しい 位置 に 保つ
 ◎ ” 断熱材 ” と なって 体温 を 保つ
 ◎ ” クッション ” と なって 外 から の 衝撃 を 和ら げる


 こうした 役割 は 以前 から 分かって いました が、更に 最近 分かって きた の
が、色々な 物質( メディエーター )を 分泌 して、体 に「 様々 な 指令 」を 出
して いる と いう こと。

 脂肪 は、かなり 活発 に 全身 の 臓器 に 働き かけて いる の です。 そして、
より 分泌 活動 が 盛んな のが、「 内臓 脂肪 」なの です。

 脂肪 組織 から 分泌 される 物質 を 総称 して、「 アディポ サイトカイン 」
いい ます。 その 数 は、既に 分かって いる もの だけ でも 50 種類 以上 にも。
色々な 働き を する ものが あり、痩せて いる 時 と、太って いる 時 で「 どんな
種類 の アディポ サイトカイン が 多く 分泌 される か 」が 変わり ます。


 大まか に 説明 する と、
 
 ◎ 肥満 の 人 の 脂肪 組織 では「 炎症 を 引き 起こす 」アディポ サイトカイン
  が 増える

 ◎ 通常 の 脂肪 組織 では「 炎症 を 抑える 」アディポ サイトカイン が 増える

 炎症 を 引き 起こす 方 の アディポ サイトカイン は、「 TNF-α 」「 イン
 ター ロイキン-6 」[ レジスチン 」など。 これら の 分泌 は 太る ほど 増えま
す。

 一方、炎症 を 抑える 方 の アディポ サイトカイン の 代表 が、大阪 大学 の 研
究 グループ が 発見 した「 アディポ ネクチン 」です。
 これ は、「 白色 脂肪 細胞 」が 中性 脂肪 を たくさん 蓄えて 大きく なると、
分泌 が 減って しまう こと が 分かって います。

 既に 説明 した とおり、「 白色 脂肪 細胞 」は 全身 に あります。
 全身 に 300 億個 も ある 脂肪 細胞 が、太る と、くすぶり の 元 を 作って 全身
に「 もっと くすぶれー! 」と メッセージ を 送って しまう わけ です から、「 肥
満が くすぶら せる 最も 大きな 要因 」と 言われる のも うなずけ ます よね。

 また、肥満 の 人 の 脂肪 組織 では、低 酸素 状態 に なって いる ことも 分かっ
て きて います。 一つ一つ の 脂肪 細胞 が 大きく なって ぎゅう ぎゅう に なっ
て いる 脂肪 組織 では、血流 が 減少 して 局所的 に 酸素 が 少なく なる の です。
 その 結果、「 酸化 ストレス 」を 増やし、炎症 を 起こし ます。
 例える ならば、ぎゅう ぎゅう 詰め の 満員 電車 で、酸素 が 薄く なって、乗客
たち が 一寸 イラ イラ して いる ような もの でしょう か。

 それが 全身 の 脂肪 組織 で 起こって いる ことを 想像 したら、「 燃え ない 体
( 脂肪 を たくさん 蓄えて いる 体 )ほど、実は 燃えて いる’( 慢性 炎症 が 起こ
って いる )」と いう 怖さ が 伝わって くる のでは ない でしょう か。



    医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より

 
 

太れば太るほど、くすぶりは進む
 
ここ まで、「 くすぶり 型 の 炎症 」が いかに 全身 の 病気 と 深く 関わって いる
か、と いう こと を 説明 して きま した。 この 章 から、「 慢性 炎症 」を 引き 起
こす 原因 と 共に、解決策 に ついて 説明 して いき ま しょう。

 そこで、避けて は 通れ ない のが、「 肥満 」の 話 です。
 結論 から 先に お伝え する と、肥満 が 進め ば 進む ほど、体 の くすぶり が 進み
ます。

 過食 や 運動 不足 で 脂肪 が 燃え ない 生活 を して いる 人 ほど、くすぶり( 慢性
炎症 )と いう 意味 では 燃えて いる。 プスプス と くすぶり 続けて いる ような 状
態 です。

 ところで、「 太る 」とは どう いう こと で しょう か?
 体重 が 増える、もっと 言えば「 体脂肪 」が 増える という こと です ね。
 では、「 増えた 脂肪 は 何処 へ いく 」ので しょう?

 糖質 も、タンパク質 も、脂質 も、食べ 過ぎて 余る と、「 脂肪 細胞 」に 取り 込
まれ て「 中性 脂肪 」として 蓄え られ ます。
 脂肪 を 取り 込んで 蓄えて いる のは、「 白色 脂肪 細胞 」という、白くて まん 丸
い 形 をした 細胞 です。 細胞内 に「 脂肪滴 」という 脂 の 塊 を 持って いて、脂肪
を 取り 込む と、その 脂肪滴 が どんどん 膨らんで いく
の です。

 白色 脂肪 細胞 は、通常 は、直径 0.08 ㎜ 程 の 球形 です が、脂肪 を 取り 込ん で
脂肪滴 が パンパン に 膨らむ と、細胞 全体 が 限界 まで 膨らんで いき ます。 直径
は 約 1.3 倍 ほど に、そして 体積 は 約 2.2 倍 ほどに 膨らみ ます。

 この 白色 脂肪 細胞 は、全身 の あらゆる 所 に あり ます。 その 数 は、普通 の
体型 の 人 で、250 億個 ~ 300 億個 ほど。 中 でも 多い のが、下腹部 や お尻、太
もも、二 の 腕、背中、内蔵 周り など です。 つまり は、「 白色 脂肪 細胞 が たく
さん ある ところ = 太り やすい ところ 」なの です。

 全身 に 300 億個 も ある 白色 脂肪 細胞 が、余った 脂肪 を 取り 込ん で 全部 パン
パン に 膨らんだ ら ーーー。 悲鳴 が 聞こえて きそう な 気 が します。

 しかも、「 白色 脂肪 細胞 」は、普通 は まん丸い 形 を して います が、一つ一つ
が 大きく なって いった ら、ぎゅう ぎゅう の 満員 電車 内 の ような もの で、細胞
と 細胞 の 間 に 隙間 が なく なり、隣り 合う 細胞 同士 が 押し 合って 多面体 に な
ります。

 それでも まだ 好きな だけ 食べて 体 は 動かさ ない と いう 生活 を 続けて いたら、
いま ある 白色 脂肪 細胞 だけ では 脂肪 を 取り 込め なく なって しまって、新しい
脂肪 細胞 が 作られ て 脂肪 を 溜め 込んで いく の です。 太って いる 人 の 白色 脂
肪 細胞 は、800 億個 にも なると 言われて います。

 一つ ひとつ の 脂肪 細胞 が パン パン に 膨れる だけ では なく、数 も 増える。 こ
れが、「 太った 」とき に 体内 で 起こって いる こと です。


  医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より


 

  

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