実験では認知機能向上
話題の 糖質制限 を ダイエット目的 で実践している人は多いだろう。 一方、ケトン体食 は、より
厳しい糖質制限 をして 血液中のケトン体 の濃度を上げる食事法。
医師の管理下で、てんかんや認知症、ガンの治療食 として普及しつつある。 肥満やガン、薬で
治らない 免疫疾患 などに 断食療法 が応用され 治療効果 が認められてきたが、最近の研究で、
断食 で誘導される ケトン体の効果 であることが分かった。
ただ、極端な 糖質制限 を続けて ケトン体の濃度 を維持するのは現代人の生活の中では難しい。
米国バック加齢研究所のエリック・バーディン博士らの研究チームは、マウス の実験で、通常餌 と
ケトン体餌 を交互に繰り返す 「 周期的ケトン体餌 」 を与えると、通常餌 を食べている期間は ケトン
体 の 血中濃度 が維持されないものの、健康寿命 が延び、認知機能 も向上していることを明らかに
して話題を呼んでいる。
チームは 通常餌 で飼育された 1歳年齢 (人間では中年期) のマウスを ① 炭水化物 中心の餌 ( タ
ンパク質10%、脂肪13%、炭水化物77% ) ② ケトン体餌 ( 同 10%、90%、0% ) ③ 高脂肪餌 ( 同
10%、75%、15%) ④ 周期的ケトン体餌 ( ① と ② を週単位で交代 ) ⑤ 周期的高脂肪餌 ( ① と ③
を週単位で交代 )の 5群 分け、マウスの高齢期 である 2歳齢 で 死亡率と認知機能 を評価した。
その結果、④ の 周期的ケトン体餌群 で最も 健康寿命 が延び、記憶力 が強まるなど 認知機能 が
向上していた。 認知機能 の評価は 通常餌 を与えた週に行っており、血中 に ケトン体 が認められな
くても改善されることが分かった。
人間 の場合、年に数回の 断食 でも 健康効果 が認められることは知られていた。 紹介した研究は
あくまで 動物実験 だが、ケトン体食 の実践を可能にする ヒント になりそうだ。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
新聞記事 Dr.白澤 100歳 への道 より転載
話題の 糖質制限 を ダイエット目的 で実践している人は多いだろう。 一方、ケトン体食 は、より
厳しい糖質制限 をして 血液中のケトン体 の濃度を上げる食事法。
医師の管理下で、てんかんや認知症、ガンの治療食 として普及しつつある。 肥満やガン、薬で
治らない 免疫疾患 などに 断食療法 が応用され 治療効果 が認められてきたが、最近の研究で、
断食 で誘導される ケトン体の効果 であることが分かった。
ただ、極端な 糖質制限 を続けて ケトン体の濃度 を維持するのは現代人の生活の中では難しい。
米国バック加齢研究所のエリック・バーディン博士らの研究チームは、マウス の実験で、通常餌 と
ケトン体餌 を交互に繰り返す 「 周期的ケトン体餌 」 を与えると、通常餌 を食べている期間は ケトン
体 の 血中濃度 が維持されないものの、健康寿命 が延び、認知機能 も向上していることを明らかに
して話題を呼んでいる。
チームは 通常餌 で飼育された 1歳年齢 (人間では中年期) のマウスを ① 炭水化物 中心の餌 ( タ
ンパク質10%、脂肪13%、炭水化物77% ) ② ケトン体餌 ( 同 10%、90%、0% ) ③ 高脂肪餌 ( 同
10%、75%、15%) ④ 周期的ケトン体餌 ( ① と ② を週単位で交代 ) ⑤ 周期的高脂肪餌 ( ① と ③
を週単位で交代 )の 5群 分け、マウスの高齢期 である 2歳齢 で 死亡率と認知機能 を評価した。
その結果、④ の 周期的ケトン体餌群 で最も 健康寿命 が延び、記憶力 が強まるなど 認知機能 が
向上していた。 認知機能 の評価は 通常餌 を与えた週に行っており、血中 に ケトン体 が認められな
くても改善されることが分かった。
人間 の場合、年に数回の 断食 でも 健康効果 が認められることは知られていた。 紹介した研究は
あくまで 動物実験 だが、ケトン体食 の実践を可能にする ヒント になりそうだ。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
新聞記事 Dr.白澤 100歳 への道 より転載