「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

2017年12月

肝臓の解毒パワーがダウンする時
 食生活 に偏りがあり、必要な 栄養素 がバランス良く摂れていないと、頼みの 肝臓 解毒パワー
が大幅にダウンします。

  解毒 にとって第一に必要なのは、タンパク質。 酵素 タンパク質 ですから、タンパク質 が足りな
いと フェーズ1で中心的な役割を果たしている 酵素シトクロムP450 がスムーズに作られなくなります。
シトクロムP450 には も必要ですから、の不足でもフェーズ1が滞ります。 ビタミンB群 の不足
もフェーズ1の進行にブレーキをかけてしまいます。

 フェーズ1で 解毒 された有害物は、フェーズ2で アミノ酸 と「 抱合体 」を作って安定化を図りますが、
タンパク質 が足りないと アミノ酸 も欠乏しますから、「 抱合体 」が必要に応じてつくられなくなります。

 フェーズ1が順調に進んだとしても、タンパク質不足 でフェーズ2の過程が スローダウン すると、「
合体 」を作って安定化しない 水酸化 された有害物が増えてきます。 これらの 中間代謝物 を放置す
ると 活性酸素 が生じて 酸化ストレス が増大しますし、炎症 を引き起こす物質が生じ易くなり、慢性疾
の引き金になるのです。

  コーヒー お茶 などに含まれている カフェイン も、フェーズ1とフェーズ2の切れ目のない引き継ぎ
を狂わせる恐れがあります。 カフェイン にはフェーズ1だけを促進する働きがあるのです。 フェーズ1
だけが速く回るとそれにフェーズ2が追い付かなくなり、結果的に 中間代謝物 が溜まって 酸化ストレス
炎症 の害を受け易くなります。

 カフェイン でフェーズ1が速く回り過ぎると、医薬品の 有効成分 が設計よりも速く 代謝 されてしまい、
効きにくくなります。  こういうタイプを「 アーリーメタボライザー 」と呼びます。 アルコール も、カフェイ
と同じ様にフェーズ1の回転数を上げる作用があります。 お酒好きの人 麻酔薬 が効きにくいと
よく言いますが、これは恒常的にお酒を飲んでいると アルコール の作用で「 アーリーメタボライザー
となり、麻酔薬 が所定の効果を発揮する前に分解されて 無力化 するからです。

 カフェイン アルコール への感受性には個人差があります。 しばらく カフェイン アルコール
断ってみて、体調 が良くなったり、何時も飲んでいる がよく効く感覚があったりする場合には、カフェ
イン
アルコール 過剰摂取 がマイナスに作用していることも考えられますから、それ以後は 節制
が求められます。

 女性 妊娠中 更年期 などに 肝斑 という褐色の シミ が出来ることがあります。 その 治療薬
ある「 トランシーノ 」には、フェーズ1の 中間代謝物 から生じる 活性酸素源 である キノン 無害化
トラネキサム酸 と、フェーズ2に関与する グルタチオン が配合されています。 肝斑 中間代謝物
毒性 から生まれるものなので、中間代謝物 を処理してその先のフェーズ2を回してやれば、シミ が薄
くなるのです。 「 トランシーノ 」を使わなくても、タンパク質 鉄、ビタミンB群 といった 肝臓 解毒作
に関わる 栄養素 を摂ると 肝斑 は軽くなってきます。
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                                  ”慢性病を根本から治す” より転載
 
 

2つのフェーズ
 肝臓 における 解毒システム は2つの フェーズ( 局面 ) に分けられます。 血液 に含まれる
溶性 有害物 血管 肝臓 へ運び込まれます。 フェーズ 1 では、脂溶性 の有害物を
溶け易い性質に変える 水酸化 を行います。 この時必要になるのが、シトクロムP450 という 解毒
酵素 です。 シトクロムP450 は全部で 50 種類ほどあり、そのうちの凡そ 15 種類が 肝臓 での
に積極的に関与しています。


 続く フェーズ 2 では、水酸化 に溶け易い 水溶性 になった有害物を、アミノ酸 などと結合さ
せて「 抱合体 」という安定した 化合物 に加工します。 低レベル 放射能廃棄物 ガラス繊維
などで固めて 安定化 させるイメージです。 無毒化 された 水溶性 の「 抱合体 」は、尿 便 に混
じって体外へと排泄されます。 この 抱合 という処理は 肝臓 を構成している 肝細胞 細胞質
行われています。

 細胞質 とは、細胞核 ミトコンドリア などの 細胞内小器官 を除いた部分。 抱合 に用いられる
酵素 によって、グルクロン酸抱合、グルタチオン酸抱合、硫酸抱合、N - アセチル抱合 などのバリ
エーションがあります。 このうち グルクロン酸抱合 だけは 細胞質 ではなく、肝細胞 小胞体
いう 細胞小器官 で行われています。

 水銀 などの 有害重金属 フェーズ 1 では 無毒化 されないのですが、フェーズ 2 安定化
排泄 することが可能になります。 水銀 などの 有害重金属 は、硫黄 を含む システイン のよう
アミノ酸 と結合し易い性質があり、「 抱合体 」を作って 体外 へ排出されます。
                                                      次回に続く
                    光文社新書 ”慢性病を根本から治す” より転載
                                       

 
 

解毒システムを一手に担う
 体内 解毒システム を一手に担っているのは 肝臓。  肝臓 は横隔膜のすぐ下にある人体最大
臓器 であり、男性 で 1.2~1.4 kg、女性 で 1.0~1.2 kg ほどの重さがあります。 肝臓 エネル
ギー
代謝 脂質 消化 に欠かせない 胆汁酸 の産生といった幅広い機能を担っています
が、機能性医学 がことに目を向けるのはその強力な 解毒作用 です。
 
 水、空気、食べ物 などから体内に入り込む 有害物 には、に溶け易い 水溶性 に溶け易
脂溶性 の2つがあります。

 水溶性 有害物 腎臓 血液 から濾し出されて、比較的短時間のうちに 尿 に混じって 排泄
されます。 故に蓄積による 悪影響 をさほど気にしなくてもよいと言えます。 それに対して 脂溶性
有害物 は、に溶けにくいため 尿 から排泄されず、 肝臓 解毒 が滞ると体内の 細胞 体脂
にずっと居座ります。 私たちの 体内 に入る 有害物 の大半は 脂溶性 ですから、それが 慢性疾
を引き起こすのです。

 肝臓 では ホルモン 不活性化 も行われています。 ホルモン 人体 にとって 不可欠 ですが、
医薬品 のように 必要量 が決まっていますから、用が済んだ ホルモン 肝臓 で分解され 無力化
されているのです。

 ホルモン にも 水溶性 脂溶性 があり、このうち 脂溶性ホルモン 肝臓 不活性化 されてい
ます。  肝臓 解毒機能 が何らかの理由で下がると分解されない ホルモン 体内 に長く留まり、
医薬品 を過剰に摂ると 副作用 が強く出るように、人体 マイナス の影響を与えてしまいます。   
その最たるものが 女性ホルモン です。

 女性ホルモン には エストロゲン プロゲステロン があります。 エストロゲン は女性の 卵巣 で合
成されますが、実は 男女 を問わず アロマターゼ という 酵素 の働きで 脂肪細胞 でも合成されてい
ます。 不活性化 されない エストロゲン 子宮内膜症 乳腺症 が悪化する一因となり、エストロゲ
代謝物 の一部は 乳がん リスクファクター でもあります。

 男性でも 女性ホルモン は分泌されていますので、アルコール依存症 などで 肝臓 の大半にダメー
ジを負うと 解毒機能 が崩壊し、不活性化 されない 女性ホルモン の働きで女性のように 乳房 が大
きくなることがあります。

 断食 などで食事を抜くと 蕁麻疹 などの 自家中毒 を起こすこともありますが、これは 断食 カロ
リー を制限すると 体脂肪 の分解が亢進することで、体脂肪 に貯蔵されていた 脂溶性 有害物
一度に出てくるのが原因だと考えられています。 こうした 自家中毒 を防ぐためには、マイルドな 断食
にとどめ、肝臓 解毒 に必要な 栄養素 を十分に補うことが大切です。
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                             ”慢性病を根本から治す” より転載
 
 

肥満、生理不順の一因
 生きている限り ストレス がゼロにならないように、水、空気、そして 食べ物 から取り込む 有害物
ゼロにはできません。 これを 無毒化 するのが 解毒。  機能性医学 ではこの 解毒システム が滞りな
く進まないと 慢性疾患 引き金 になると考えています。


 肥満 慢性疾患 の一つであり、先進諸国に共通の悩みですが、肥満 の一因には 有害質 の蓄積
があります。 アメリカで 肥満 が多いのは中西部ですが、その 肥満 を引き起こしている要因の一つと
考えられているのが、アトラジン という 除草剤。 中西部は 穀倉地帯 であり、トウモロコシ畑 などで盛
んに アトラジン が使われていました( 現在は 使用禁止 )。

 アトラジン土壌残留性 が高く、地表水、地下水、水道水 にも 拡散 しており、これらを飲んだ人た
ちには アトラジン が蓄積している可能性があります。 アトラジン は、体内の エネルギー代謝 の要で
ある 細胞内 ミトコンドリア に作用し、その 機能 を阻害することが分かっており、代謝 されなかった
エネルギー 体脂肪 として蓄積して 肥満 を招いている恐れがあるのです。

  この他、アトラジン には女性の 生理不順 との関わりも疑われています。
 
 魚介類 には 海中 有害物 が蓄積していることもあります。 沿岸 の限られたエリアで 養殖 されてい
鮭、あるいは 汚染 が進んだ 深い海に棲む魚、他の魚を食べることで 有害物 生体濃縮 している
マグロ などの大型魚や イルカ クジラ といった 海洋性哺乳類 には、高濃度で ダイオキシン、PCB、
水銀 などの 有害物 が蓄積しています。

 ダイオキシン PCB には 発がん性 がありますし、 水銀 神経障害 を起こします。 水銀 には
機水銀
有機水銀 があり、日本人 の多くは 魚介類 から 有機水銀 を体内に蓄積しています。 急性
有機水銀中毒 で起こったのが 4大公害病 の一つである 水俣病 です。

 厚生労働省では 魚介類 による 水銀 の汚染が 胎児 に広がらないように、金目鯛、メカジキ、クロマ
グロ、メバチマグロ などは 合計週 80g まで、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ などは 合計
週160g までを目安にするように 妊婦 さんに指導しています。

 水銀 は体内では 必須ミネラル 亜鉛 と同じような働きをしています。 このため 亜鉛 を意識的に摂
り入れると 水銀 排泄 が自然に促されるようになります。
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                               ”慢性病を根本から治す” より転載

 

 

肝機能の低下を疑う
 日本人の 40% は何らかの 頭痛 に悩んでいるというデータがあります。 頭痛 は大きく分けて
筋肉 が緊張する 緊張性頭痛、脳血管 に由来する 片頭痛 の2種類があり、両者の 混合パター
もあります。

  筋肉の緊張による 頭痛 では、猫背 などの 姿勢不良 などによる 身体 アライメント
関節 の並び )の乱れ、パソコン タブレット端末 などを長時間凝視することによる 疲労
などが誘因になっています。

 この他、筋肉 弛緩 に必要な マグネシウム 欠乏 も要因になりますから、機能性医学
マグネシウム欠乏 が疑われる時には、マグネシウム サプリメント を処方します。

  鉄欠乏性貧血 に代表される 酸素運搬能 の低下が 緊張性 頭痛 をもたらすこともあります。
筋肉 の部分の局所的な 酸欠 が起こり、細胞 エネルギー を作り出している ミトコンドリア とい
細胞内小器官 の機能が低下して エネルギー不足 に陥ると、筋肉 の緊張が取れないのです。
酸素 を運搬している 赤血球 ヘモグロビン タンパク質 が結合したものですから、この
場合には タンパク質 の摂取が役に立ちます。

 脳血管性 片頭痛 血管 拡張 で起こっていると言われています。 詳細な メカニズム
まだ 不明 ですが、血管 を収縮 せる セロトニン という ホルモン が出て収縮した後、反動 で二次
的に 拡張 する過程で 頭痛 が起こるという説が有力です。

 その他、12対ある 脳神経 で最大の 三叉神経 が何らかの原因で刺激されて 脳血管 を拡張さ
せて起こるという主張もあります。 マグネシウム 血管 拡張三叉神経 興奮 を共に抑え
る働きがありますから、血管性 片頭痛 の抑制にも効果的です。

 月経前 PMS(月経前症候群)の一環として 片頭痛 が出る女性もいます。 月経の終盤は
トロゲン と、プロゲステロン、両方の 女性ホルモン の分泌が増えます。 他のホルモンと同時に
女性ホルモン 肝臓 で解毒されますが、エストロゲン プロゲステロン が共に増えると肝臓の
解毒機の負担が増えて 肝機能 が相対的に低下します。

 解毒 のプロセスが滞ると、中間代謝物として有害な 活性酸素源 が増えてきます。 すると 活性
素源 を無毒化するために 一酸化窒素NO )が消費されますが、NO には 血管 を拡張させる
作用があるため、NO の欠乏によって 血管 が収縮し易くなって 頭痛 を招くのです。 PMS による
片頭痛 には、肝臓 解毒機能 をサポートする タンパク質 ビタミンB群 といった栄養素を取り
入れると、発作 の予防に繋がります。

 この他、更年期障害 の一症状として 頭痛 が出てくることがあります。 その際は 性ホルモン補充
療法 で劇的に改善するというケースがあります。 

                                                                            ”慢性病を根本から治す” より 転載
 

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