マウス実験で認知機能改善
糖尿病 は アルツハイマー病 の発症リスクを 2倍 にするが、糖尿病 を制御できれば アルツハイ
マー病 を合併した 糖尿病患者 の 認知機能 を改善させられるのか? 英ランカスター大のクリス
チャン・ホルシャー博士らの研究チームは インクレチン という ホルモン に着目した。
インクレチン は インスリン の作用を増強させる 消化管ホルモン の総称で、その作用を高める 経
口薬 や 注射製剤 が 糖尿病患者 に広く使われている。 研究チームは、こうした インクレチン製剤
の中の一つが、インスリン を分泌している 膵臓 の ベータ細胞 のみならず 脳 の 神経細胞 にも作
用する点に注目。
6ヶ月齢の アルツハイマー病 の マウス にその製剤を 2ヶ月間、毎日 注射し続け、8ヶ月齢 で マウ
ス の 認知機能、アミロイド の 沈着量、脳 の 炎症、神経栄養因子 の 分泌 を検討した。 一方、対照
群 の ネズミ には 毎日、生理食塩水 を注射した。 製剤 を注射された マウス は対照群に比べて、明
らかに 空間記憶 が保持されており、学習機能 も改善していたのである。
解剖して 脳 を調べると、アルツハイマー病 の病変である 老人斑 の 数 が減少し、脳 の 炎症 が抑え
られていた。 更に 神経栄養因子 が 対照群 の 2倍 も分泌されていて、海馬 での 神経幹細胞 の活
発な 神経再生 が認められた。
今回の結果は マウス の 実験結果 ではあるが、実際に臨床で使用されている薬に 認知症 の 改善
効果 が認められたことから、ヒト での 臨床治験 での良い結果が期待できるとホルシャー博士は力
説する。
インクレチン製剤 に 糖尿病 を合併していない 認知症患者 の 認知機能 を改善させる効果があるか
などは、今後 の 研究課題 だ。
( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )
新聞記事 Dr.白澤 ” 100 歳 への 道 ” より 転載
糖尿病 は アルツハイマー病 の発症リスクを 2倍 にするが、糖尿病 を制御できれば アルツハイ
マー病 を合併した 糖尿病患者 の 認知機能 を改善させられるのか? 英ランカスター大のクリス
チャン・ホルシャー博士らの研究チームは インクレチン という ホルモン に着目した。
インクレチン は インスリン の作用を増強させる 消化管ホルモン の総称で、その作用を高める 経
口薬 や 注射製剤 が 糖尿病患者 に広く使われている。 研究チームは、こうした インクレチン製剤
の中の一つが、インスリン を分泌している 膵臓 の ベータ細胞 のみならず 脳 の 神経細胞 にも作
用する点に注目。
6ヶ月齢の アルツハイマー病 の マウス にその製剤を 2ヶ月間、毎日 注射し続け、8ヶ月齢 で マウ
ス の 認知機能、アミロイド の 沈着量、脳 の 炎症、神経栄養因子 の 分泌 を検討した。 一方、対照
群 の ネズミ には 毎日、生理食塩水 を注射した。 製剤 を注射された マウス は対照群に比べて、明
らかに 空間記憶 が保持されており、学習機能 も改善していたのである。
解剖して 脳 を調べると、アルツハイマー病 の病変である 老人斑 の 数 が減少し、脳 の 炎症 が抑え
られていた。 更に 神経栄養因子 が 対照群 の 2倍 も分泌されていて、海馬 での 神経幹細胞 の活
発な 神経再生 が認められた。
今回の結果は マウス の 実験結果 ではあるが、実際に臨床で使用されている薬に 認知症 の 改善
効果 が認められたことから、ヒト での 臨床治験 での良い結果が期待できるとホルシャー博士は力
説する。
インクレチン製剤 に 糖尿病 を合併していない 認知症患者 の 認知機能 を改善させる効果があるか
などは、今後 の 研究課題 だ。
( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )
新聞記事 Dr.白澤 ” 100 歳 への 道 ” より 転載