「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

2018年06月

 定期的な ウオーキング 寿命 を延ばす効果があることが知られている。 最近の米ペンシ
ルベニア大などの研究でも、1日に 座っている 時間を 30 分 でも ウオーキング などの 運動
に振り替えると 死亡リスク が5年間で 51 % も減少すると報告されている。

 しかし、ウオーキング といっても散策しながら ゆっくり 歩くことから、ポールを使用した 速歩き
まで様々で、汗ばむ 位の運動量でないと 寿命延長効果 が出ないと主張する研究も多い。

 そんな中、歩行速度 速い 人は ゆっくり 歩く人に比べて 死亡リスク が有意に低いという
研究結果が、豪シドニー大から発表され話題を呼んでいる。

 エマニュエル・スタマタキス博士らの研究チームは、1994 年から 2008 年に実施されたイング
ランドとスコットランドにおける 11 件の 疫学調査 から、追跡可能だった 4 万 9731 人を対象に
歩行速度 死亡率 との関連性を調査した。

 歩行速度ゆっくり、平均的、速い、より速い(時速4K以上) の 4群 に分類した。 その結果
ゆっくり 歩く人に比べて 平均的 な速さで歩く人は 全死亡リスク が 20 % 低く、速く 歩く人 (速い
と より速いを合わせて) では 全死亡リスク が 24 % 低いことが分かった。

 また、疾患別の 死亡率 との関連性を検討したところ、心血管疾患 による 死亡率 歩行速度
の間には関連性を見いだせたが、ガン による 死亡率 歩行速度 の間には関連性を見いだせ
なかった。

 歩行速度 なることによる 運動負荷 に対して、心肺機能 がより機能的に適応して 心血
疾患 による 死亡率 が低下した可能性を示唆。 一方、ガン の予防のためには 歩行速度
はなく、歩行距離 が関連するのではないかとスタマタキス博士は考察する。

 今回の調査から、高齢者 歩行速度 平均 以上の方が良さそうだ。

                          (白澤卓二 ・ お茶の水健康長寿クリニック院長)

                 新聞記事 Dr.白澤 ” 100 歳 への道 ” より 転載       





 

 年をとってから、夕方になると むくんだり下肢 動脈硬化 のため長距離を歩けない
という症状で悩んだりしている人は多いと思う。 末梢循環不全 による 浮腫 動脈硬化 によ
間欠性跛行 など、血管 加齢性変化 に由来する症状が生活の質に影響しているのだ。

 そんな中、ネズミ の実験ではあるが、毎日の ストレッチ 血管 を若々しく維持して 末梢循
を改善し、血管 拡張機能 を改善させる効果があることが分かった。

 堀田一樹博士も参加した米フロリダ州立大医学部の研究チームは、培養した 血管 内皮
細胞 を試験管内で伸展させると、血管 を拡張させる物質や 毛細血管 を新生させる因子を分
泌することに着目。 ストレッチ でも同様の変化が起きるかどうか ラット の実験で検証を試み
た。

 研究チームは 高齢ラット 下肢 に1日30分、週に5日間、1ヶ月にわたり副木を当て ストレ
ッチ を強制。 その前後で、安静時及び運動時の 血流、血管拡張物質、毛細血管新生因子
を測定し、CT スキャンで 毛細血管 の形態を撮影した。

 その結果、ストレッチ を強制しなかった群と比べると 内皮細胞由来 血管拡張物質 が増加
し、運動時の 血流 が増加していることが分かった。 更に 毛細血管新生因子 も増加し、CTス
キャンでは新たな 毛細血管 が新生して 血管容積 が増加していることも確認された。

 高齢期 には 血管 の柔軟性が失われるため 浮腫 が生じたり、血流障害 による 歩行障害
起きたりするが、今回の研究により簡単な ストレッチ でこれらの 障害 を予防できたり改善した
りする可能性が示された。 

 忙しくて定期的な 運動 が出来ない人でも、部屋の中で簡単な ストレッチ をすることにより
歩行障害 の予防や改善が出来そうだ。 

                           (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)  

                    新聞記事 Dr. 白澤  ” 100 歳 への道 ” より  転載    
                         

 食酢 穀類 果実、野菜 などの原料を 酢酸発酵 させた 醸造酢 のことだ。 その中でも、
玄米 を原料にした 黒酢 アミノ酸 が豊富に含まれていることが知られている。 特に 鹿児
島地方 では、黒い陶器のツボで 1年 から 3年 かけてゆっくり 発酵・熟成 させる製造法が有名
である。

 これまでの研究で、高血圧 のラットに 黒酢エキス を投与すると 血圧 が下がるというデータ
や、黒酢 疲労回復効果 が報告されていた。

 そんな中、鹿児島大共同獣医学部の叶内宏明准教授らの研究チームは、更に 認知症
予防効果や 認知機能 の改善効果があることを ネズミ の実験で明らかにした。

 研究チームは、京都大の故竹田俊男教授が開発した老化促進モデルマウス、中でも 学習・
記憶障害、免疫機能不全 概日リズム睡眠障害 自然発症 する系列のマウスを使用。
10倍に濃縮した 黒酢 を最終濃度が 0.25% になるよう混ぜた を最大 24週間摂取 したマ
ウスで、空間学習機能 を分析した。

 その結果、黒酢 を混ぜていない通常の で飼育したマウスに比べて、空間記憶障害
善効果 黒酢摂取群 のマウスで確認された。

  遺伝子発現 を調べると、黒酢摂取群 のマウスでは タンパク質 異常凝集 を抑制す
遺伝子 の発現が活性化していた。 認知症 の代表的疾患である アルツハイマー病 でも、
アミロイド β(ベータ) という タンパク質 異常凝集 することが知られているので、黒酢 による
認知機能 の改善は タンパク質 凝集 を抑えた結果ではないかと叶内准教授は考察する。
 
 黒酢 はそのまま飲んだり、蜂蜜を加えたり、野菜スムージーに混ぜたりしても美味しくいた
だけるが、認知症予防 のためにも寿司の 酢飯 酢豚 などの炒め料理、和風の煮込み料理
調味料 として使うことがお勧めだ。

                         ( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )

                                       新聞記事  Dr. 白澤 ” 100 歳 への道 ” より 転載
  

 

 

 高血圧 は大きく分けて、「 本態性高血圧 」 と 「 二次性高血圧 」 に分けられます。

 本態性 とはいかにも専門用語という感じですが、平たくいえば、「 原因がはっきりしない 」 と
いうことです。

 二次性高血圧 とは、他の病気があって、そのために 高血圧 になるもので、例えば 血圧 を上
げる  ホルモン が多く分泌される 「 内分泌性高血圧 」 とか、腎臓 に問題がある 「 腎性高血圧
などが代表的なものです。

 二次性高血圧 はいわば原因の分かっているものですが、これは 10% ほどで、高血圧患者
90 % が 本態性高血圧 に分類されます。

 血圧 を下げる薬 (「 降圧剤 」) には様々な種類があります。

 しかし、高血圧 の 90 % は原因が分からないのですから、言い方は悪いけれど、薬は当てずっ
ぽうで使うことになります。 どれか使ってみて、血圧 が下がらなければ別の薬に替える。 血圧
が下がっても、副作用 が出るとまた替えます。 患者さんには内緒ですが、の選択には 医師
製薬会社 売り込 みなど、非医学的要素 が多く含まれます。

 家で 血圧 を測ると正常なのに、診察室で医師が測定すると高くなるのを、「 白衣性高血圧 」 と
呼びますが、これは緊張による 血圧上昇 ですから、生理反応 です。

血圧が高いと何故わるいのか
 
高血圧 が何故悪いかと言えば、直接的には弱った 血管 の破裂や出血を引き起こすからであり、
間接的には 動脈硬化 を招くからです。

 動脈 は、「 内膜 」 「 中膜 」 「 外膜 」 の三層構造になっています。 血圧 が高いと、内膜
が傷つきます。 それを修復するために、血小板 が集まり、それが固まって 血栓 となります。 
脂血症 の場合は、血栓 コレステロール がこびりつきます。 それが アテローム粥状 )性
の隆起( プラーク ) になり、動脈 の壁が 肥厚 して硬くなるのです。 これを 「 アテローム性動脈
硬化症
」 といいます。

 医学生の頃、病理 の実習で、動脈硬化 を起こした 大動脈 の展開標本 ( 縦に裂いて開きにした
もの ) を触りましが、本来ならつるんとした 血管 に、溶けた プラスティック  のような プラーク がこ
びりつき、曲げるとジャリジャリと ガラス質 の感触があったのを覚えています。 自分の 血管 がこ
うなったらおしまいだと思うと、自ずと 食生活 には注意するようになります。

 国民の 健康増進 を図るなら、メタボ健診 のような迂遠なことをするより、動脈硬化 標本 を見
せる方が、はるかに効果的で安上がりだと思います。

                                                                                     久坂部 羊 著 ” カラダはすごい !” より

 

 

 

 近年、近視 の人に対して盛んに行われるようになった 「 レーシック 」 は、レーザー 角膜
削って 屈折率 を変えることにより、視力 を矯正する手術です。 このような治療が出来るのは、
角膜 にある程度の厚さがあり、角膜 にも 屈折作用 があることによります。

 厚さ o.5 ~ 0.7 ㎜ の 角膜 は、「 角膜上皮 」 「 ボーマン膜 」 「 角膜実質層 」 「 デスメ層
角膜内皮層 」 の五層構造になっています。 

 レーシック では表面の二層を薄く剥ぎ、露出した 角膜実質層 レーザー で蒸散させてから、
剥いだ二層を元に戻す方法が採られます。 こうすると 角膜 の表面が凹み、凹レンズ 眼鏡
をかけたのと同じ効果が得られるのです。

 日本で レーシック が実用化されたのは 2000 年からで、歴史 が浅いため、手術後 20年、
30年の 長期保証 はありません。 ただでさえ薄い 角膜 を削るのですから、強度が問題になる
でしょうし、老化現象 も加わりますから、将来どうなるかわかりません。

 これは レーシック に限ったことではなく、医学 の新しい治療は、何れも始めは 長期予後 など
分からずに始まります。 ですから、今、レーシック を受けている人は、ある意味で、後進 のた
めの 実験台 になってくれているともいえます。

                                  久坂部 羊 著 ” カラダはすごい !” より


 

↑このページのトップヘ