動脈硬化、骨折、皮膚のシワ、歯肉退縮 ・・・・・ 。
一見関係なさそうに思えますが、機能性医学 ではこの4つの疾患には ホモシステイン の
濃度が関係していると考えています。
ホモシステイン は、体内で合成されない 必須アミノ酸 の メチオニン の代謝プロセスで
生成されます。 ホモシステイン からは、肌代謝 を正常化して シミ を生じにくくする シス
テイン、エネルギー産生に関わる α・ケト酪酸 の前駆体、あるいは必要に応じて再度 メチ
オニン が合成されます。 しかし、この 経路 ( パスウェイ ) が滞って体内濃度が上昇す
ると、ホモシステイン は 自己酸化 を起こして 活性酸素 が増えてきます。
ホモシステイン から生じた 活性酸素 が コレステロール を酸化させて、それが 血管壁
に蓄積すると 動脈硬化 が始まります。
また、ホモシステイン は 血管 を広げる働きを持つ 一酸化窒素 ( NO )の産生を抑え
て、血小板 の働きを活性化して血の塊である 血栓 が生じ易い環境を作り、血管事故に
よる 心臓病 や 脳卒中 の危険度を上げます。
血管 は コラーゲン から作られていますが、ホモシステイン は コラーゲン の質を低下
させて弾力性を落とし、動脈硬化 を悪化させます。 コラーゲン は全身の タンパク質 の
およそ 3分の1 を占めている繊維状の作りをした 構造タンパク質 です。
ホモシステイン が コラーゲン の質を下げる理由は2つあります。
活性酸素 からは AGEs(終末糖化産物)が生じます。 AGEs は身体を作る タンパク
質 と 糖質 が体温で温められて生じる物質。 この反応を 糖化 と言います。
パンやお肉を焼くと美味しそうな焦げ目が出来ますが、あれも 糖化(メイラード反応)。
糖化 は美味しさの元ですが、体内で発生した AGEs は コラーゲン を作る分子の配列を
乱して弾力性を低下させます。 更に ホモシステイン の濃度が高くなりすぎると、コラー
ゲン の分子を正しく配列させている コラーゲン分子架橋酵素(LOX)の濃度が下がります。
それも結果的に コラーゲン の質の低下につながります。
骨 も 皮膚 も 歯肉 もその骨格は コラーゲン で作られていますから、ホモシステイン が
増えすぎると 骨 が脆くなって 骨折 し易くなったり、皮膚 に シワや弛み が生じたり、歯肉
が後退して 歯茎 が痩せたりするのです。
血管 にも 骨 にも良くない ホモシステイ ンが増える理由に、B6、B12、葉酸(B9)と
いった ビタミンB群 の不足があります。 つまり、B群 をきちんと摂れば、動脈硬化 や
骨折 などのリスクが下げられるのです。
B6 は ホモシステイン を速やかに システイン に転換し、B12 は ホモシステイン を メ
チオニン に転換する メチル化 を行います。 そして 葉酸 は B12 の働きを助けてくれる作
用があります。
B群 はいずれも 水溶性 で一度にたくさん摂っても当座不要な分は 尿 に混じって排泄さ
れ、蓄えることが出来ません。 従って、日々の 食事 や サプリメント からのこまめな摂取
が求められます。 2008年の厚生労働省研究班によるコホート研究では B6 、B12 、葉酸
の適度な摂取により、動脈硬化 が引き起こす 心筋梗塞 のリスクが 37~48%下がったとい
う報告が出ています。
この他、タンパク質 の合成には 亜鉛 と ビタミンB6 が必要ですし、コラーゲン の立体
構造を作るために 鉄 が要り、使用済みの 鉄 を再生するには ビタミンC も欠かせません。
斎藤糧三 著 「 機能性医学 」の考え方
慢性病を根本から治す より転載
一見関係なさそうに思えますが、機能性医学 ではこの4つの疾患には ホモシステイン の
濃度が関係していると考えています。
ホモシステイン は、体内で合成されない 必須アミノ酸 の メチオニン の代謝プロセスで
生成されます。 ホモシステイン からは、肌代謝 を正常化して シミ を生じにくくする シス
テイン、エネルギー産生に関わる α・ケト酪酸 の前駆体、あるいは必要に応じて再度 メチ
オニン が合成されます。 しかし、この 経路 ( パスウェイ ) が滞って体内濃度が上昇す
ると、ホモシステイン は 自己酸化 を起こして 活性酸素 が増えてきます。
ホモシステイン から生じた 活性酸素 が コレステロール を酸化させて、それが 血管壁
に蓄積すると 動脈硬化 が始まります。
また、ホモシステイン は 血管 を広げる働きを持つ 一酸化窒素 ( NO )の産生を抑え
て、血小板 の働きを活性化して血の塊である 血栓 が生じ易い環境を作り、血管事故に
よる 心臓病 や 脳卒中 の危険度を上げます。
血管 は コラーゲン から作られていますが、ホモシステイン は コラーゲン の質を低下
させて弾力性を落とし、動脈硬化 を悪化させます。 コラーゲン は全身の タンパク質 の
およそ 3分の1 を占めている繊維状の作りをした 構造タンパク質 です。
ホモシステイン が コラーゲン の質を下げる理由は2つあります。
活性酸素 からは AGEs(終末糖化産物)が生じます。 AGEs は身体を作る タンパク
質 と 糖質 が体温で温められて生じる物質。 この反応を 糖化 と言います。
パンやお肉を焼くと美味しそうな焦げ目が出来ますが、あれも 糖化(メイラード反応)。
糖化 は美味しさの元ですが、体内で発生した AGEs は コラーゲン を作る分子の配列を
乱して弾力性を低下させます。 更に ホモシステイン の濃度が高くなりすぎると、コラー
ゲン の分子を正しく配列させている コラーゲン分子架橋酵素(LOX)の濃度が下がります。
それも結果的に コラーゲン の質の低下につながります。
骨 も 皮膚 も 歯肉 もその骨格は コラーゲン で作られていますから、ホモシステイン が
増えすぎると 骨 が脆くなって 骨折 し易くなったり、皮膚 に シワや弛み が生じたり、歯肉
が後退して 歯茎 が痩せたりするのです。
血管 にも 骨 にも良くない ホモシステイ ンが増える理由に、B6、B12、葉酸(B9)と
いった ビタミンB群 の不足があります。 つまり、B群 をきちんと摂れば、動脈硬化 や
骨折 などのリスクが下げられるのです。
B6 は ホモシステイン を速やかに システイン に転換し、B12 は ホモシステイン を メ
チオニン に転換する メチル化 を行います。 そして 葉酸 は B12 の働きを助けてくれる作
用があります。
B群 はいずれも 水溶性 で一度にたくさん摂っても当座不要な分は 尿 に混じって排泄さ
れ、蓄えることが出来ません。 従って、日々の 食事 や サプリメント からのこまめな摂取
が求められます。 2008年の厚生労働省研究班によるコホート研究では B6 、B12 、葉酸
の適度な摂取により、動脈硬化 が引き起こす 心筋梗塞 のリスクが 37~48%下がったとい
う報告が出ています。
この他、タンパク質 の合成には 亜鉛 と ビタミンB6 が必要ですし、コラーゲン の立体
構造を作るために 鉄 が要り、使用済みの 鉄 を再生するには ビタミンC も欠かせません。
斎藤糧三 著 「 機能性医学 」の考え方
慢性病を根本から治す より転載