まずは 食事 が基本
機能性表示食品制度 は 2015 年に導入され、これまでに届け出がされたのは サプリメ
ント や 加工品 など 1700 件以上に及んでいる。 最も 信頼性 が高い研究が要求されて
いた 「 特定保健用食品( トクホ ) 」 と違い、科学的 な 根拠 がしっかりしている 成
分が含まれていれば 消費者庁 に届け出るだけで 機能性 の 表示 が出来る点が特徴だ。
消費者 にとっては 選択肢 が増えた一方で、摂取後 の 安全性 や 効能 に関する責任は
消費者側 に委ねられた システム と言える。
そんな中、米・タフツ大学のファン・チェン博士 らの 研究チーム が 食品 から 特定
の 栄養素 を適切に 摂取 すれば 死亡リスク が下がるが、サプリメント摂取 では 死亡率
は 低下 しない ことを報告して話題を呼んでいる。
研究チーム は、1999 年から 2010 年までの間に 国民健康栄養調査 に 参加 した 20 歳
以上の米国人 3 万 899 人を対象に、栄養補助食品 の 摂取状況、食品 や サプリメント か
らの 栄養素摂取量 と 心臓病、ガン による 死亡率 及び 全死亡率 との関連性を解析した。
その結果 ① ビタミンK、マグネシウム の 適切な 摂取 は 全死亡リスク の 低下 と 関
連していたが、関連性 は 食品 からの 摂取 に限定され サプリメント摂取 では 認められ
なかった ② ビタミンA、ビタミンK、亜鉛 の 適切な 摂取 は 心血管疾患 の 死亡率 の
低下 と関連するが、これらの 要素 に関しても 関連性 は 食品 に 限定され サプリメント
では認められなかった ③ サプリメント で カルシウム を 1 日に 1000 ㎎ 以上摂取する
と、ガン の 死亡リスク が上昇するが、食品 からの カルシウム摂取 では 関連性 は認め
られない ーーー ことが判明した。
今回の結果は、不健康な 食生活 は サプリメント摂取 では 代償することが出来ないこ
とを裏付けている。 まずは 栄養バランス のとれた 食事、健康的な 食生活 が 基本 だ。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より
機能性表示食品制度 は 2015 年に導入され、これまでに届け出がされたのは サプリメ
ント や 加工品 など 1700 件以上に及んでいる。 最も 信頼性 が高い研究が要求されて
いた 「 特定保健用食品( トクホ ) 」 と違い、科学的 な 根拠 がしっかりしている 成
分が含まれていれば 消費者庁 に届け出るだけで 機能性 の 表示 が出来る点が特徴だ。
消費者 にとっては 選択肢 が増えた一方で、摂取後 の 安全性 や 効能 に関する責任は
消費者側 に委ねられた システム と言える。
そんな中、米・タフツ大学のファン・チェン博士 らの 研究チーム が 食品 から 特定
の 栄養素 を適切に 摂取 すれば 死亡リスク が下がるが、サプリメント摂取 では 死亡率
は 低下 しない ことを報告して話題を呼んでいる。
研究チーム は、1999 年から 2010 年までの間に 国民健康栄養調査 に 参加 した 20 歳
以上の米国人 3 万 899 人を対象に、栄養補助食品 の 摂取状況、食品 や サプリメント か
らの 栄養素摂取量 と 心臓病、ガン による 死亡率 及び 全死亡率 との関連性を解析した。
その結果 ① ビタミンK、マグネシウム の 適切な 摂取 は 全死亡リスク の 低下 と 関
連していたが、関連性 は 食品 からの 摂取 に限定され サプリメント摂取 では 認められ
なかった ② ビタミンA、ビタミンK、亜鉛 の 適切な 摂取 は 心血管疾患 の 死亡率 の
低下 と関連するが、これらの 要素 に関しても 関連性 は 食品 に 限定され サプリメント
では認められなかった ③ サプリメント で カルシウム を 1 日に 1000 ㎎ 以上摂取する
と、ガン の 死亡リスク が上昇するが、食品 からの カルシウム摂取 では 関連性 は認め
られない ーーー ことが判明した。
今回の結果は、不健康な 食生活 は サプリメント摂取 では 代償することが出来ないこ
とを裏付けている。 まずは 栄養バランス のとれた 食事、健康的な 食生活 が 基本 だ。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より