「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

2019年04月

まずは 食事 が基本
 機能性表示食品制度 は 2015 年に導入され、これまでに届け出がされたのは サプリメ
ント や 加工品 など 1700 件以上に及んでいる。 最も 信頼性 が高い研究が要求されて
いた 「 特定保健用食品トクホ ) 」 と違い、科学的 な 根拠 がしっかりしている 成
分が含まれていれば 消費者庁 に届け出るだけで 機能性 の 表示 が出来る点が特徴だ。 
   消費者 にとっては 選択肢 が増えた一方で、摂取後 の 安全性 や 効能 に関する責任は
消費者側 に委ねられた システム と言える。

 そんな中、米・タフツ大学のファン・チェン博士 らの 研究チーム が 食品 から 特定
栄養素 を適切に 摂取 すれば 死亡リスク が下がるが、サプリメント摂取 では 死亡率
低下 しない ことを報告して話題を呼んでいる。

 研究チーム は、1999 年から 2010 年までの間に 国民健康栄養調査 に 参加 した 20 歳
以上の米国人 3 万 899 人を対象に、栄養補助食品 の 摂取状況、食品 サプリメント
らの 栄養素摂取量 心臓病ガン による 死亡率 及び 全死亡率 との関連性を解析した。

 その結果   ① ビタミンKマグネシウム の 適切な 摂取 は 全死亡リスク の 低下 と 関
連していたが、関連性 は 食品 からの 摂取 に限定され サプリメント摂取 では 認められ
なかった    ② ビタミンAビタミンK亜鉛 の 適切な 摂取 は 心血管疾患 の 死亡率 の
低下 と関連するが、これらの 要素 に関しても 関連性 は 食品 に 限定され サプリメント
では認められなかった    ③ サプリメントカルシウム を 1 日に 1000 ㎎ 以上摂取する
と、ガン の 死亡リスク が上昇するが、食品 からの カルシウム摂取 では 関連性 は認め
られない ーーー ことが判明した。

 今回の結果は、不健康な 食生活サプリメント摂取 では 代償することが出来ないこ
とを裏付けている。 まずは 栄養バランス のとれた 食事、健康的な 食生活 が 基本 だ。

                                               (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                 新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より

軽い 運動 の 予防効果
 慢性疾患 に直結する 酸化ストレス を減らすには、ジョギング や 水泳 のように、
汗ばみ ながら 息 が切れない位の 中程度 の 運動 も推奨されます。

 運動中 は 安静時 よりも多くの エネルギー を必要としますから、中程度 の 運動
習慣化 すると エネルギー の 産生量 を増やすために ミトコンドリア が増えてきます。
 筋肉 には PGC - 1 α  という 遺伝子転写補助因子 が潜んでいます。  運動 の刺激を
を受けるとこの PGC - 1 α が 「 ミトコンドリアを増やしなさい 」 という 情報 が書か
れた 遺伝子 を読み出して、その 指令 によって ミトコンドリア が増えてくるのです。

 ミトコンドリア が増えてくると、一つひとつの ミトコンドリア にかかる 負担 はそ
れだけ減ります。 車 の小さな エンジン を フルスロットル で吹かして 坂道 を上が
ろうとすると 不完全燃焼 で 黒い 排気ガス がいっぱい出ますが、同じように少ない
ミトコンドリア で多くの エネルギー を発生させようと頑張り過ぎると 活性酸素
増えてきます。

 したがって 運動 をすると一時的に 活性酸素 は増えてしまうのですが、トレーニン
グ を 習慣化 すると ミトコンドリア が増えて 不完全燃焼 が減り、活性酸素 の 発生量
は相対的 に低く抑えられます。 これを 「 マイルドカップリング 」 と言います。

 しかも 運動 をしていない 安静時 は増えた ミトコンドリア で余裕を持って エネル
ギー を 安定的 に作り続けられますから、活性酸素 の 発生量 が減って 酸化ストレス
を下げられるのです。 
 これは 運動 が持つ見逃せない 慢性疾患予防効果 です。

 あまり現実的ではありませんが、運動以外ミトコンドリア を増やす方法が 2 つ
あります。 それは 寒い環境 で過ごす。 あるいは 空腹 で過ごす時間 をそれぞれ
長くすることです。

 私たちは ホメオスタシス 体温 を一定に保つ 恒温動物 ですから、寒い環境
過ごすと 体温 を保つためにより多くの を作ろうとします。 そこで ミトコンド
リア での 熱産生 が増えて、その状態が続くと エネルギー産生量 を 底上げ するため
ミトコンドリア が増えるのです。 
そして、空腹 で過ごす時間が長くなると、身体 が 「 エネルギーが足りない 」 と 誤
解 して、ミトコンドリア を増やします。

               斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                      「機能性医学」の考え方

体内の 活性酸素 の 95% が生まれるところ
 自動車の ガソリンエンジン から 排気ガス が生じるように、ミトコンドリア で エネル
ギー を生み出す過程でも 生体 にとって 有害な物質 が生まれます。 それが 活性酸素
す。 体内 で生まれる 活性酸素 の約 95 % ミトコンドリア で発生しているのです。

 ミトコンドリア の 内膜 の 電子伝達系 には、NADH脱水素酵素、シトクロム c 還元酵
素シトクロム c 酸化酵素 などが控えており、内膜 と 外膜 の間にある 膜間腔 へ 電子
くみ出しています。 この時の 反応 が 不完全 だと 呼吸 から取り込んだ 酸素 電子
くっついて 活性酸素 が生じるのです。 繰り返し触れているように、活性酸素 による
酸化ストレス はあらゆる 慢性疾患 の引き金になっています。

 酸欠 の後に、酸素 が一度にどっと ミトコンドリア内 に流入すると 活性酸素 が大量発
生してしまい、細胞 が死んでしまうこともあります。 心臓 の 血管 が詰まる 心筋梗塞
の 血管 が詰まる 脳梗塞 では 血管 が詰まって 酸欠 で死ぬ 細胞 が 2 割、一度詰まった
血管 が開いて多くの 酸素 が急激に流れ込んで生じた 活性酸素で死ぬ 細胞 の方が 8 割
言われているほどです。

 生きるためには常に ATP という エネルギー が必要であり、そのためには ミトコンドリ
の活動が 不可欠 であり、必然的に 活性酸素 が生じます。

 活性酸素 による 酸化ストレス を防ぐために備わった 抗酸化酵素ビタミン C などの
酸化物質 酸化 の 最前線 である ミトコンドリアに集結しており、発生した 活性酸素
水際で ブロック する モグラ叩き を 24 時間休み無く続けています。 これらの 抗酸化酵
の 原料 となる 栄養素 の摂取、ビタミン C などの 抗酸化物質 を 野菜 や 果物 などから
摂ったりすることは 酸化ストレス による 慢性疾患 の 予防 に 有益 なのです。

                                                       斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                       「機能性医学」の考え方

ビタミン などの 微量栄養素 が必須
 ミトコンドリア TCA 回路電子伝達系 を回すには、糖質、脂質、タンパク質
といった  3大栄養素、そして  酸素 が 不可欠 ですが、それだけでは 不十分。 食事
が偏り、ビタミン などの 微量栄養素 が足りなくなると TCA 回路 電子伝達系 が ス
ムーズ に回らないのです。 

 なかでも重要なのは ビタミンB群 です。 ビタミンB1糖質グルコース)や
タンパク質アミノ酸)を アセチルCoA に変えており、B6パントテン酸)は
脂肪)から アセチルCoA を作り、それぞれ TCA回路 へ送るときに働いてい
ます。

 B2 B3ナイアシン)は、TCA回路電子伝達系 の橋渡しをする NADHFA
DH の 補酵素 や 原料 となっています。 ビタミンB群 は水に溶ける 水溶性 であり、
摂り溜め が出来ないため、日々の食事から 摂り続けて ください。

 ミトコンドリア でのエネルギー産生で ビタミンB群 と並んで大切なのが、α リポ酸
コエンザイムQ10 という 2つの 微量栄養素 です。 α リポ酸 は、細胞内への グルコース
の取り込みを促し、アセチルCoA を生成する際の 補酵素 になっています。 コエンザ
イムQ10電子伝達系電子 を運んでいます。 α リポ酸 コエンザイムQ10生体
内で 合成 できますが、20 代をピークとして 合成量 が減りますから、ミトコンドリア
機能を保つためにも 食事 サプリメント からの摂取が必要になってきます。 

 この他、電子伝達系 と関わりがあります。 電子伝達系 酸化還元機能 を担い、
電子 の 運搬 に関わっている シトクロム という タンパク質 があります。 この タンパク
と一緒になった ヘム鉄 の一種ですから、が不足すると シトクロム が足りなく
なり、電子伝達系 が滑らかに回らなくなる恐れがあるのです。

 日本人 は 糖質 脂質 といった 栄養素 から 85% 近くのカロリーを摂っています。 ハ
ンバーガー店の ランチセット や 牛丼、うどん や 蕎麦 といった ファストフード は手軽な
半面、糖質 脂質 は摂れても ビタミンB群、α リポ酸、コエンザイムQ10 、鉄 といった
栄養素 は 不足気味 です。  大量の 糖質脂質 を摂るとこれらの 栄養素 の 供給
を満たせなくなり、お腹いっぱい食べているのに エネルギー不足 で疲れが抜けなくなっ
たり、エネルギー として消費されない 糖質脂質 が増えて 太りやすく なったりする困っ
た状況を招いてしまいます。

                                            斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                    「機能性医学」の考え方




ATP 再生の4段階
 ミトコンドリア は普通の 細胞 一つ当たり凡そ 2500個存在しており、エネルギー
をより多く必要とする 心臓 肝臓 の細胞ではその 10~20 倍 の ミトコンドリア が存
在しています。

 ATP が再生される プロセス は大きく 4つの段階 に整理されます。
 
 第1段階 では、食べ物 に含まれている 糖質、脂質、タンパク質 の 3大栄養素 が 消
化吸収 によって 巨大な 分子 から 簡単な 構成分子 に分解されます。

 第2段階 では、3大栄養素 の 構成分子 が ミトコンドリア内 に入って アセチルCoA
に転換されます。

 第3段階 では、第2段階 で蓄積した アセチルCoA を出発点として TCA回路 を駆動し
て大量の ATP を産生させます。
 TCA 回路 で燃焼が起こって 二酸化炭素 を産生するときに 電子 が生じます。 その
電子ビタミン の一種である NAD FAD が受け取り、それぞれ NADH FADH
変わります。 NADH FADH 、そして 呼吸 で取り入れた 酸素 が反応すると更に大
量の 電子 が発生します。

 最後の 第4段階 は 「電子伝達系」 と呼ばれます。 ミトコンドリア は 内膜 と 外膜
という二重の膜 で覆われていますが、この 膜 の間に 膜間腔 という 空間 があります。 
大量に発生した 電子 はこの 膜間腔 に蓄積するため、腹間腔 と 内膜 の間に 電気的 な
勾配が生まれます。 プラス の 電荷 を持つ 電子 を貯めた 腹間腔 プラス側 に傾く
のです。

 生体 は 電気的 に安定するために、電子 を 内膜 へ戻して 電気的 な勾配を フラット に
しようとします。 この時 水力発電 で高い所から 水 を流してタービンを回すように、電
気化学的 な エネルギー が生じて ADP から ATP が 合成 されます。 合成 された ATP
専用の 輸送体 によって速やかに ミトコンドリア の外へ運び出されて、遺伝子 の読み出し
タンパク質 の 合成 といった 細胞 の活動に利用されています。

 酸素 を使わず 細胞質 で行われる 解糖系 では、1 分子の グルコース  から 2分子の ATP
しか生まれませんが、ミトコンドリア内 酸素 を使う TCA回路と電子伝達系 では、1 分
子の グルコース から 38 分子の ATP が 合成 されます。 即ち、ミトコンドリア は極めて
効率的な エンジン なのです。

              斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                                                                    「機能性医学」の考え方


 

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