「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

2019年07月

 抗認知症薬 を使う患者の約 3 分の 2 が、学会の 診療ガイドライン で推奨されている
甲状腺機能検査 を受けていないとの 調査結果 を、医療経済研究機構 の チーム がまと
めた。

 認知症 の症状は 甲状腺機能低下症 でも表れ、その場合は適切に 治療 すれば回復が期
待できる。 検査を受けないと、改善が見込める 病気 を見逃して不要な が使われ続け
ることになり、チームは「 医師 は適切に鑑別してから 薬 を出すべきだ 」と指摘する。

  国内の 認知症患者 は 2012 年の推計で約 462 万人。 アルツハイマー病 など治療が難し
いものもあるが、海外のデータなどから、1 割前後は 甲状腺機能低下症 などに伴う症状で
回復可能とみられている。

 このため 日本神経学会 など複数の学会は、17 年策定の 認知症疾患診療指針 で、認知症
と診断した場合に 甲状腺ホルモン などを測定する 機能検査 の実施を推奨している。

 しかし、同機構が 国 の レセプト( 診療報酬明細書 )情報 の データベース から、15 年
度の 1 年間に 認知症 と診断されて 抗認知症薬 を新たに出された 65 歳以上の患者 26 万 2
279 人分を分析したところ、 が出る 1 年前までに 甲状腺機能検査 を受けた人は 33 % に
とどまった。

 実施率は 診療所 が 25.8 % と低く、専門的な治療を担う 認知症疾患医療センター に指
定された 医療機関 でも 57.1 % だった。 高齢 になるほど、甲状腺機能検査 が行われな
い傾向もみられた。

 抗認知症薬アルツハイマー病 レビー小体型認知症 に処方され、症状の進行を緩や
かにする効果がある。 甲状腺機能低下症 には適応がない。

 同機構主任研究員 の 佐方信夫医師は 治せるはずの 認知症 が検査をしないことで見過
ごされ、大きな問題だ。 不適切な 薬 の服用で、症状の改善が見込めないばかりか、食欲
不振めまい など患者に 不利益 を与えている恐れもある と話す。
      
                             ” 新聞記事 " より 転載

 ミクログリア 」は の 細胞の 5~20 %を占め、神経組織 が 傷害
を受けると、その 修復や、老廃物、異物 を除去する 作用 があることか
ら、中枢神経 の 免疫細胞 としての 役割 を果たすと考えられている。

 ネズミ の 実験では、ミクログリア が 活性化 すると アルツハイマー病
の 原因物質 とされる アミロイド β タンパク質 の 蓄積を抑え、脳内
炎症 を抑制する 作用が報告されている。


 そんな中、米スタンフォード大 の トニー・ワイスコレイ博士 らの 研究
チーム は、ミクログリア の 細胞表面 にある CD 22 という 分子 を 抑制
することで、老齢ネズミ の ミクログリア を活性化して 認知機能 を 改善
させることに成功し、話題を呼んでいる。 

  彼らは CD 22 の 発現量が の 加齢 に伴い 増えることと、高齢期 に
ミクログリア の 機能 が低下し に 老廃物 が溜まることに 関連性があ
る点に注目。

  つまり CD 22 は ミクログリア の ブレーキ のような役割を果たし、高
齢期 にはそれが 強くなると考えた。 CD 22 を抑制する 抗体試薬 を 高齢
ネズミ に投与したところ、ミクログリア が活性化し アミロイド β
タンパク質 を除去することを 確認した。

 抗体試薬 を 長期間投与 された 高齢ネズミ は、そうでない 高齢ネズミ
に比べ、加齢に伴う 空間記憶低下連想記憶低下 が改善していた。
 
 ワイスコレイ博士 は 加齢 に伴いこの ブレーキ を強めている 内因性物
質 があるのではないかと 考察する。 一方で 抗体試薬 投与 により ブ
レーキ が弱まり ミクログリア が活性化することが 証明されたので、
ルツハイマー病 などの 神経変性疾患 に 臨床応用される 可能性を示唆す
る。

 今回の研究から 脳 に アミロイド β タンパク質 が蓄積する アルツハイ
マー病 の 免疫不全 の一種とも考えることが 可能で、今後の 研究
展開 が 期待される。
                                           (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

           新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より  
                                     

軽度の 認知障害、改善の報告も
 私が監修した「 アルツハイマー病 真実と終焉 」の著者、デール・プ
レデセン博士は アルツハイマー病 対策 に ケトン体ダイエット を勧めて
いる。 

 米国で1921年から てんかん 治療食 として実践されている ダイエット
で、低糖質ダイエット に ココナツオイル などを組み合わせて血中の
トン体 を維持する食事法である。 肥満、糖尿病、乳がん の 再発予防
などに対する効果も報告されている。

 そんな中、米ジョンズ・ホプキンズ大 の ジェイソン・ブラント博士 ら
の研究チーム は、ケトン体ダイエット が 軽度認知障害(MCI)及び
初期の アルツハイマー病患者認知機能 を改善する 効果 を報告して
話題を呼んでいる。

 研究チームは 認知機能 が低下した高齢者 14人を対象に、9人に ケトン
体ダイエット( 1日の炭水化物摂取量20㌘以下 )、5人に 米国立加齢研
究所(NIA)推奨の ダイエット( 炭水化物の摂取制限なし )を指導。 
そして  ▽ 指導前  ▽ ダイエット実践 6 週間後 ▽ 12 週間後 ーーー の認
知機能 を比較・検討した。

  その結果、数分前に聞いたことや示されたことを思い出す 遅延想起検査
( 総合点14 ㌽ のテスト )で、ケトン体ダイエット に厳格に従った 5 人
は 6 週間後のテストで 平均 2 ㌽ 以上、記憶力 が改善していた。 しか
し、厳格には従えなかった 4 人は 記憶力 が平均 2 ㌽ 低下していた。
 一方、NIA 推奨ダイエット群 は 6 週間後のテストで、記憶力 が平均
2 ㌽ 低下していた。

 ブラント博士は、大規模に 参加者 を募集したにもかかわらず 最終的
に厳格に ケトン体ダイエット に従えた対象者が 5 人であったことから、
認知機能 が低下した 患者 がこの ダイエット法 を続けることの難しさを
指摘する。
 より実践し易い方法を確立する必要があるだろう。

                                                 (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

         新聞コラム Dr. 白澤  ” 100への ” より 

                                            

 アルツハイマー病 の 患者の脳 で 異常蓄積 する「 アミロイド β 」と
いう タンパク質 には 神経毒性 があり、これまでは アルツハイマー病
の 原因物質 と考えられてきた。

 しかし、アミロイド β は カビ や ウイルス から 神経細胞 を守る 防御
因子 であるという 科学的証拠 が 次々に提示され、アミロイド β の存在
は 病気 の 原因ではなく、慢性炎症 の 結果であるとの 新学説 が 注目さ
れている。

 そんな中、歯周病 の 原因である ジンジバリス菌アルツハイマー病
の 脳 に 実在し、菌 が 分泌する タンパク質分解酵素 が 神経変性 を引き
起こし、菌 に対する 防御反応 として アミロイド β が 脳 に蓄積するとの
論文 が話題 を呼んでいる。

 米国 の 創薬ベンチャー である Cortexyme 社 からの 論文で、筆頭著者
スチーブン・ドミニイ博士 らの 研究チームは、解剖した アルツハイマー
の 脳 で ジンジバリス菌 が分泌する 分解酵素 が 高濃度 に存在するこ
と、この 分解酵素 の濃度と アルツハイマー病 の 重症度 に関連性がある
ことを発見した。

 更に  ジンジバリス菌 に感染させた マウス で アミロイド β が増加した
ことから、アミロイド β は 感染 に対する 防御因子 である 可能性を 示唆
した。

 研究チーム はこの 分解酵素 に対する 阻害剤 の開発にも 成功しており、
培養神経細胞 に 阻害剤 を添加すると 神経毒性 が緩和され、ジンジバリ
ス菌 に感染した マウス の 脳内 でも 神経毒性 が減少することを 確認し
た。

 ジンジバリス菌 は 歯垢 や 歯周ポケット に多く 存在し、45~54 歳の
日本人 の 88 %が 歯周病 にかかっているとの報告もある。
 歯周病 と 心臓病、糖尿病、動脈硬化、肺炎 などとの 関連性 が 指摘
されているが、この リスト に アルツハイマー病 も 追加されたようだ。

 認知症予防 のためにも 中年期 から 歯周病 を早期に 治療・予防 した
い。
                                            (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

           新聞コラム Dr. 白澤 100 歳への道  より

 神経幹細胞 は、胎児期 や 成長期 の 脳 の 発育過程 で 分裂 を 繰り返
し、必要な 神経細胞 を新生している。 1990 年代になり 染色 する 技
術が 開発 されて以降は、神経幹細胞 が 成人 や 高齢者 の 脳 にも 存在
することが 報告 されてきた。
 
 もし 高齢期 の 脳 に十分な 神経幹細胞 が存在するなら、アルツハイ
マー病 や 脳卒中 の リハビリ期 に 神経 の 新生 を 誘導 し、認知機能 や
神経機能 の 回復 が期待できる。

 米シカゴ にある イリノイ大 の マシュー・トビン博士 らの 研究チーム
は、アルツハイマー病 の 脳 にも 神経幹細胞 が存在し、細胞分裂 を続け
ていることを明らかにして 話題 を呼んでいる。

 アルツハイマー病、軽度認知障害( MCI )を含む 18 症例( 平均年齢
90.6 歳 )の 高齢者 の 解剖 した 脳 を 対象 に、神経幹細胞 を 染色 し、
海馬 における 神経幹細胞数 を 測定 。 アルツハイマー病群、MCI 群、
健常高齢者群 で 比較検討 した。

 その結果、海馬 の 顆粒細胞層下部 で 1 立方ミリメートル 当たり 平均 419.
9 個 の 神経幹細胞 が 観察 され、そのうち 平均 11.2 個が 細胞分裂 して
いると考えられた。

 群間 で比べると、アルツハイマー病群 や MCI 群 の 海馬 では 神経幹
細胞 が 減少していた。 更に 解析 したところ、細胞分裂 している 神経
幹細胞 の 数 と 認知機能 の 間 に、有意 な 相関性 が 認められた。

 私たちの お茶の水健康長寿クリニック では アルツハイマー病 を 対象
神経再生治療 を 試みており、多数 の 症例 で、神経再生 が 脳波 によ
り確認されている( 拙著「解毒・神経再生治療でアルツハイマー病は予
防・治療できる!」<すばる舎>で紹介)。

 今回の イリノイ大 の研究で 高齢期 や アルツハイマー病 でも 神経再生
が持続していることが確認された。 今後、神経再生治療 が アルツハイ
マー病治療 の 有力 な 選択肢 になることを期待している。 

                                             (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
                  
           新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道より

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