「日々是好日 日記」

東京都江戸川区船堀の鍼灸良導絡・カイロプラクティック「今井治療室」ブログです

2022年05月

「 突然死 」を 防ぐ ために 知って おき たい こと
  一連 の 流れを 見て いくと、「 動脈 硬化 」とは、「 血管 内皮 細胞 」が 傷
つけ られた のを きっかけ に 始まる「 免疫 細胞 たちと 酸化 LDL コレステロー
ル の 戦い 」で ある ことが 分かり ます。 「 酸化 LDL コレステロール 」と い
う、体 に とっての ” 異物 ” を 排除 する ための 炎症 反応 が、結果的 に 動脈 硬
化 を 引き 起こして いる のです。

 その 最初 の きっかけ を つくる のが、加齢 や 高血圧、高血糖、高 コレステ
ロール など です。 血管 には 絶えず 血液 が 流れて います が、流れて いる 血
液 の 勢い が 強すぎ たり( 血圧  が高い ),余計 な 糖 や コレステロール が 溢
れて いたり すると( 高血糖、高 コレステロール )、血管 の いちばん 内側 に
ある 内皮 細胞 が 傷つけ られて しまい ます。

 しかも、それら の 原因 が 取り 除かれ ない 限り、内皮 細胞 の 傷害 は 続き、
血管壁 の くすぶり も 続く の です。

 高血圧、高血糖、高 コレステロール と いった 要因 は、慢性 炎症 を 起こす
” 火種 ” で あると 共に、炎症 を 続け させる ” 燃料 ” でも ある という こと。

 血管 に コブ が 出来ても なお 燃料 を 入れ 続け、くすぶら せ 続けて いる と、
コブ は 不安定 なまま 存在 し 続け ます。 まるで 中華 料理 の ” 小籠包 ” の よう
に、コブ の 中身 は 柔らか く、覆って いる 膜 は 薄く、傷つき 易い 状態 です。

 そして、何らか の 刺激 で コブ が 破れる と、出血 を 止め よう として 血液中
の 血小板 が 集まり、「 血栓 」と いう 血 の 塊 を 作り ます。
 それが 大きく なって 血液 の 流れ を 止めて しまった り、或い は、血流 に 乗っ
て 別 の 場所 に 運ばれ、そこで 動脈 を 詰まら せて しまう ことも あります。 そ
こが 心臓 の 血管 だったら「 心筋 梗塞 」を、脳 の 血管 だったら「 脳梗塞 」を 引
き 起こ して しまう の です。

 血管 内皮 の 一寸 した 傷 から 始まった 炎症 が、痛み も 違和感 も ない まま ダラ
ダラ と 続き、しまい には 心筋 梗塞 や 脳梗塞 と いった 命 をも 奪う 深刻 な 病気 を
引き 起こす ーーー 。 正に、「 小さな ボヤ が 大火事 に 」です。 最近は、動脈
硬化 は「 慢性 炎症 疾患 」で ある という 考え の もと、新しい 診断、治療薬 の 研
究・開発 が 進め られて います。


  医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より

 

 動脈 硬化 の 原因 は 何だ と 思い ます か?

  血圧 が 高い 人 は、動脈 硬化 を 起こし やすい。
    血糖値 が 高い 人 は、動脈 硬化 を 起こし やすい。
    血液中 の 悪玉 コレステロール  が多い 人 は、動脈 硬化 を 起こし やすい。

 どれも 正解 です。 どれも 正しい の です が、「  なぜ 高血圧、高血糖、脂質
代謝 異常( 高コレステロール )だと 動脈 硬化 を 起こし やすい のか ? 」と い
う 理由 の ところ に、「 炎症 」が 存在 して いる ことが 分かって きました。

 最近 では、「 動脈 硬化 とは、血管 の 壁 で 炎症 が ずっと 続いて いる 状態 」
と 考え られる ように なって います。
 くすぶり 型 の 炎症 である「 慢性 炎症 」こそ が、動脈 硬化 の 原因 で あり、
正体 だった の です。

 「 動脈 硬化 」の 原因 は 慢性 炎症 である という 事 を 分かって いただく ため
に、どう やって 起こる のか、順 を 追って 説明 しま しょう。

血管 内皮 細胞 の 傷害 と「 単球( 白血球 )」の 侵入
 最初 の きっかけ は、血管 の 内側 が 傷つく こと です。
 血管 の いちばん 内側「 内膜 」の 表面 には、「 血管 内皮 細胞 」と いう 細胞
が びっしり と シート 状 に 並び、血液 や 血管 の 機能 を コントロール し ながら、
血液 から 必要 な 物だけ を 取り 込ん で います。

 ところ が、この 血管 内皮 細胞 が 傷つく と、「 炎症 を 引き 起こす メディエー
ター( 伝達 物質 )」が 次々と 出され、「 単球 」と いう 白血球( 免疫 細胞 )の
一種 が 血管 内皮 に くっつき、内皮 細胞 の 隙間 から 血管 の 壁 の 内側 に 入り
込んで きます。

 内皮 から 血管壁 の 中へ と 侵入 した「 単球 」は、異物 を 貪り 食う ように し
て 処理 する 細胞「 マクロファージ 」へ と 変化 します。

異物 の 侵入
 一方、「 血管 内皮 細胞 」が 傷つい て バリア 機能 が 弱まる と、血管 壁内 に
異物 が 侵入 し やすく なり ます。 異物 の 代表格 が、血液中 に 余って いる
「 悪玉 コレステロール( LDL コレステロール )」です。 これ が 血管壁 の 内側
に スルリ と 忍び 込む と、「 活性 酸素 」に よって 酸化 され て、「 酸化 LDL コ
レステロール 」と なり ます。

免疫 システム 発動
 L DL コレステロール が「 酸化 LDL コレステロール 」に なる と、私達 の 体 を
守る 免疫 システム は それ を「 異物 」と 判断 して 攻撃 します。
 免疫 細胞 の 主役 の ひとり、白血球 の「 単球 」から 変化 した「 マクロファー
ジ 」は、アメーバ の ような 細胞 で、病原菌 など を 自ら の 体内 に パクパク と
取り 込ん で 殺し、私達 の 体  を守って います。

 「 酸化 LDL コレステロール 」は こうした 異物 と 見な され、マクロファージ
に 処理 され ます。


限界 まで 働いた 免疫 細胞 が 破裂、蓄積
 限界 を 超える まで「 酸化 LDL コレステロール 」を 食べ 尽くす と、マクロファ
ージ は「 泡沫 細胞 」と 呼ば れる 脂肪 の 塊 に 変わり、血管壁 の 内部 に 蓄積 し
て しまい、やがて コブ の ように 隆起 します。
 そう やって、血管壁 の 内側 に「 コブ( プラーク )」が 出来 て いく の です。


  医学博士 池谷敏郎  ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より


 
  

     「  

 見逃して しまう ような 小さな ボヤ( 慢性 炎症 )でも、長く 続く と、大
火事( 深刻な 病気 )に なる ーーー 。 その 最も 分かり 易く、最も 身近な
例 が、「 歯周病 」です。

 歯周病 は、名前 の とおり、歯 の 周り の 病気。 具体的 には、歯 を 支え
ている 骨( 歯槽骨 )や 歯茎 が、歯周病 菌 に 感染 して「 炎症 」を 起こす 病
です。

 口 の 中 には 常に 数百 種類 もの 細菌 が 存在 して います。 その 中 で 歯
周病 の 原因 になる 歯周病 菌 は、分かって いる だけ でも 100 種類 にも。 
ありふれた 菌 なので、歯周病 菌 に 全く 感染 しない という ことは、殆ど 不
可能 です。

 口 の 中 に 入って きた 歯周病 菌 は、” 空気 を 嫌う 菌 ” なので、空気 が 届
き にくい 空間 を 求めて、「 歯周 ポケット 」と 呼ばれる 歯 と 歯茎 の 間 の
溝 に 潜り 込み ます。 しっかり 歯 磨き を して 歯 の 周り に ついた 汚れ を
取り 除かな ければ、歯周 ポケット に 潜り 込む 歯周病 菌 が どんどん 増え、
細菌 同士 が「 プラーク 」と いう ネバネバ とした 塊 を 作り ながら、奥へ 奥
へ と 進んで いきます。

 その 歯周病 菌と、歯周病 菌 が 出す 毒素 に 反応 して、歯茎 で 炎症( 歯肉
炎 )が 起こる のが、歯周病 の 始まり です。 そこで 気づい て、毎日 の 歯
磨き で しっかり プラーク を 落とし たり、歯科 医院 で 汚れを 取って もらっ
たら いい のです が、その まま に して いる と、炎症 は ジワジワ 広がって い
きます。

 歯 を 支えて いる 歯槽骨 にまで 炎症 が 広がり、歯槽骨 が 溶け 始めて、歯槽
骨 が 半分 ほどに なる と、支え を 失った 歯 が 少し 揺れる よう に。 それでも
なお、その ままに して いる と、更に 歯槽骨 が 失われ、歯茎 も 下がり、歯 が
グラグラ と 揺れる よう に なって、食べ物 が 噛み にくく なったり、歯 並び が
悪く なったり、最終的 には 歯 を 失う ことに なる の です。

 最初 に 歯茎 に 炎症 が 起こって から、歯 が 失われる までには  15 年 ~ 30 年
ほど あると 言われて います。 という ことは、その 間 に 炎症 の 存在 に 気づい
て、原因 を 取り 除け ば、歯 を 失わず に 済む の です。

 特に、歯茎 のみ の 炎症 の 段階 で 気づいて 手 を 打てば、100 % 元 に 戻る こ
と が でき ます。 逆に、歯槽骨 にまで 炎症 が 進んで しまう と、一度 失われた
歯槽骨、下がった 歯茎 は、もう 元 には 戻り ません。

 ところ が、多くの 患者 さん は、歯槽骨 が 半分 ほど 失われ て、歯 が グラグラ
と 揺れる ように なって、ようやく「 おかしい! 」と 気づき、歯科 医院 に 駆け
込む ことに なります。 虫歯 の ような 痛み は なく、大した 自覚 症状 は ない の
で、見逃 されて しまう の です。

 最初 は、歯茎 の 縁 が 赤く なったり、歯 磨き を した 時に ちょっと 出血 したり
する くらい の ” ボヤ ” だった のが、10 年、20 年 と くすぶり 続けて いる うち に、
歯 という 大切な 臓器 を 失う まで の ” 大火事 ”  に なって しまう ------ 。

 歯周病 は 歯 の 周り の 組織 で 起こって いる 炎症 の こと ですが、全身 で 似た よ
うな ことが 起きて いる ことを 想像 すれ ば、怖く なり ません か ?


   医学博士 池谷敏郎 ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない ” より   






 

髪の毛が急に抜けるようになって気になる
 髪 を セット し、ヘアブラシ を ふと 見ると、髪 の 毛 が 沢山 絡み ついて い
る・・・。 男 女 を 問わ ず、抜け 毛 が 多い と 不安 に なる ものだ。 年 の
せい かと まず 頭 に 浮かぶ だろう が、髪 の 毛 が 抜ける の には 様々 な 原因
が ある。 特に 女性 で 抜け 毛 が 多く なった 場合、よく ある 病気 の ことを
考え なけれ ば ならない。

 実は、貧血 に なると 抜け 毛 が 起こり やすい ことが 分かって いる。 貧血
の 代表 は 鉄 欠乏性 貧血。 女性 の 10 % 程 に 見られる 病気 で、中でも 若い
女性 では 4 人 に 1 人 が 経験 した ことが ある と されて いる。

 よく 知られて いる ように、鉄 欠乏性 貧血 は 鉄分 が 不足 する ことに よって
起こる。 酸素 を 体中 に 運搬 する 成分 で ある ヘモグロビン の 主要 な 材料
が 鉄分。 このため、鉄分 が 不足 する と、ヘモグロビン を 十分 作る こと が
出来 なく なって、全身 の 組織 が 酸素 の 足り ない 状態 に 陥って しまう。 こ
れ が 鉄 欠乏性 貧血 の メカニズム だ。

 貧血 に なる と、体 の あらゆる 部分 が エネルギー 不足 に なり、正常 に 働か
なく なって トラブル が 発生 する。 これに 伴って、髪 の 毛 を 作る 毛母 細胞
の 働き も 悪化。 育毛 が 上手く 出来 なく なって、抜け 毛 や 薄毛 に つながっ
て しまう のだ。
 
   貧血 の 症状 は、他にも 色々 ある。 最近、どうも 息 切れ や 動悸 が する、何
と なく しんどい・・・と いった 代表的 な 症状 も ある 場合 は、気 に なる 抜け
毛 は 貧血 が 原因 で ある 可能性 が 高い。 息 切れ や 動悸 は、長い 距離 を 歩
い たり、階段 を 上ったり した 時、全身 が 酸素 不足 に なって 起こる ことが 多
い。

 鉄 欠乏性 貧血 の 予防、改善 で 重要 なのは 意識 して 鉄分 を 補給 する こと
だ。  多く の 場合、特に 鉄剤 や サプリメント を 使用 しなく ても、普段 の 食生
活 の 改善 に よって 効果 を 上げる ことが できる。

 鉄分 には「 ヘム 鉄 」「 非 ヘム 鉄 」の 2 種類 が あり、ヘム 鉄 は レバー や
アサリ などの 動物性 食品、非 ヘム 鉄 は 小松菜 や 大豆、ヒジキ と いった 植物
性 食品 に 多く 含まれて いる。 体内 での 吸収率 は、ヘム 鉄 の 方 が 高い こと
も 知っておこう。


          青春出版社 ” 危ない前兆 ” より
 

 若い 頃 には しなやか で 弾力性 が あった 血管 が、年 を 取る に つれて 硬くなり、
内側 に コブ が できて 血液 の 通り道 が 狭く なったり、血管 が 切れ やすく なって し
まったり する という のが 血管 の 老化 です。 この 血管 の 老化  ----  つまり は「 動
脈 硬化 」にも、実は「 炎症 」が 深く 関わって いる のです。

 更に 言えば、老化 だけ では なく、糖尿病、ガン、うつ、アルツハイマー 型 認知症、
アトピー 性 皮膚炎 と いった 現代人 に 増えて いる 病気 にも、「 炎症 」と いう 共通
の 原因 が 隠れて いる
ことが 最近 の 研究 で 分かって きて います。

 本来、「 炎症 」は 有害 なもの では ありません。 
 
 私達 の 身 を 守り 癒やす「 治療 プロセス 」「 免疫 システム 」です。
 体 は 外部 からの 有害 な ” 侵入者 ” を 排除 したり、組織 が 傷つくと その 傷 を 修復
しよう と したり します。 その 過程 に 起こる のが「 炎症 反応 」なの です。 

   分かり 易い ところ で 言え ば、蚊 に 刺される と 直ぐ に 赤く 腫れ ます ね。  触る と
温かく 感じ ます。  この 場合、痛み と 言う よりも 痒み です が、これも 典型的 な 炎症
です。
 蚊 の 唾液 に 入って いる 物質( 体 に とって の 異物 )に 反応 して、排除 しよう と
した 結果、「 炎症 」と いう 反応 が おこる の です。
 
   これらは 医学的 に「 急性 炎症 」と 呼ばれて います。

 しかし、炎症 が「 慢性的 」に なる とき、深刻 な 問題 を 引き 起こし ます。
 
 急性 炎症 の 原因 と なった もの を ずっと 排除 できな かった り、免疫系 の アンバラ
ンス、加齢 などの 理由 で、炎症 を 長期間 に わたって「 消火 」でき なく なった とき
( 慢性 炎症 )免疫系 の 暴走 が 始まり、体 を 攻撃 し 始め ます。

 慢性 炎症 に よって、本来 は 攻撃 対象 では ない「 健康 な 組織 」も 攻撃 され、臓器
が 破壊 され、やがて 様々 な 生活 習慣病 が 発症 したり、老化 が 恐ろ しい ほど 加速 し
たりする の です。

 「 慢性 炎症 」の  いちばん 恐ろしい ところ は、自覚 症状 が 殆ど ない ところ です。
更に、自覚 症状 が ない のに、慢性 炎症 を 起こ して 深刻 な 損傷 を 受けた 部位 は「 元
には 
戻ら ない 」と いう 非常 に 厄介 な 性質 を 持って います。

 「 実は 慢性 炎症 が 原因 だった 」と いう 事を 示す 象徴的 な 話 が あります。
それは、ぜん息 治療 の 進化 です。

 今で こそ「 ぜん息( 気管支 ぜん息 )」は、「 気管支 で ごく 弱い 炎症 が 続いて いる
病気 」と 捉え られる ように なり ました が、そう 分かった のは 比較的 最近 の こと。

 以前 は、ぜん 息 の 発作 が 起こって いる 時に だけ 気道 が 狭く なって いて、発作 が
ない 時には すっかり 正常 な 状態 に 戻って いると 考え られて いま した。  「 原因 は 分
から ない けれ ども 気道 の 収縮 を 繰り 返す 病気 」と 捉え られて いた の です。

 だから、治療 の 主役 は、「 気管支 拡張薬 」でした。 気道 が 狭く なって 起こる とい
う 困った 症状 が ある の だから、対症 療法 として、気道 を 広げて あげよう と いう のが
第一の 治療法 だった わけ です。

 ところ が、発作 が 起こって いない 時にも 慢性的 に 弱い 炎症 が 続いて いる こと が 分
かり、治療法 は ガラリ と 変わり ました。 吸入 ステロイド 薬 など、「炎症 を 抑える こ
に 焦点 を 置く 治療法 」に 変わって いった の です。

 その 結果、ぜん 息 で 亡く なる 人 は 劇的 に 減り ました。 1995 年 には 国内で 7000
人を 超えて いました が、2000 年 には 5000 人 を 下回り、今 では 2000 人 を 切る ほど に。

 病気 の ベース に ある「 慢性 炎症 」の 存在 に 気づいた ことで アプローチ が 変わり、
本的 な 治療 が 出来る ように なり、沢山 の 命 を 救える ように なった の です。

 


  医学博士 池谷敏郎  ” 体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! ” より  

 

↑このページのトップヘ