健康な人における疲労とは、日本疲労学会で「一般に運動や労力などの
身体作業(運動)負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して
与えられたときにみられる、身体的あるいは精神的パフォーマンス(作業効
率)の低下現象」と定義されている。

 「パフォーマンスの低下現象」とは本来の能力を発揮できない状態であり、
具体的には、「思考力が低下する」「刺激に対する反応が鈍くなる」「注意す
る力が衰え、散漫になる」「動作が緩慢になる」などといった変化であり、更
には「目がかすむ」「頭痛がする」「肩が凝る」「腰が痛い」などの症状を言い
ます。 誰しも思い当たることでしょう。

 「疲労」とは、医学的には、「痛み」「発熱」と並んで人間の生体アラーム
一つと考えられています。つまり、「これ以上、運動や仕事などの作業を続
けると体に害が及びますよ」という警報です。

人は痛みや熱があると休息しようとしますが、もしそれらの警報を発するこ
とが出来なければ、死に至るまで運動や作業を続けてしまう恐れがありま
す。その危険を回避するために、痛みや発熱と同様に疲労という警報を発
し、それ以上の活動を制限するように働いているのです。
疲労とは、生物が生命を守るために体の状態や機能を一定に保とうとする
働き、「ホメオスタシス(恒常性)」の一つであるわけです。

 疲労はアラームである以上、通常、疲労感をもって自覚します。ただし、ア
ラームが効かない状態、つまり疲労感を覚えることが出来ずに運動や仕事
の負荷作業を連続して行ってしまうと、過重労働で重篤な病気、また過労死
につながることがあります。
 
何故アラームが効かなくなるのか、そしてその時、疲労はどこに蓄積されて
いるのか、次回より、詳しくみていきましょう。

                                
                     ”すべての疲労は脳が原因” より抜粋