”どうすればケトジェニックになれるか” 
 ケトン体 を利用するケトジェニック な身体になれば、も元気になり、長寿遺伝子
スイッチも入り、そのうえ抗酸化力 も高まって慢性疾患に強くなります。それでは、どうす
ればケトジェニック になれるのでしょうか。 

 その答えは極めてシンプル。糖質を制限するのです。

 糖質 を摂ると血糖値が上がり、その血糖値を下げるためにインスリン が追加分泌され
ます。インスリンには脂質の分解をブロック する作用があり、ケトン体の合成が阻害 され
ます。脂質を分解してケトン体を使うケトジェニック体質 になるには、糖質を制限してイン
スリンの過剰な分泌 を抑えなくてはならないのです。

 ちなみに血糖値を上げるのは糖質 のみ、脂質やタンパク質を摂っても血糖値が上がる
こと はなく、インスリンも追加分泌されません。たとえカロリーが高くても、糖質さえ少なけ
れば、血糖値もインスリンも安定  しているのです。

 エネルギーになるのは糖質、脂質、タンパク質であり、体内ではおよそこの優先順位で
消費されています。糖質がなくなると脂質が使われるようになり、糖質と脂質が枯渇する
とタンパク質が使われる
ようになるのです。この生理から見ても、脂質を分解してケトン体
を使うケトジェニック体質 になるには糖質の制限 が求められるのです。

”糖質の摂取量で体質は変化する”
 個人差はありますが、食事で摂取する糖質を制限した空腹状態 になると、12時間後に
は通常レベルよりもケトン体 が増えてきます。 

 糖質の摂取量により、体質は次の3つの状態に変化します。
1.通常の食事 ⇒ 糖質依存状態 
 1食あたり60g 以上(1日180g 以上)の糖質を摂取。糖質を日常的に食べており、ブドウ
糖がエネルギー代謝の中心 であり、ケトン体 をエネルギー源として上手に使えていません。
糖質を過剰に摂った場合はグリコーゲンが蓄積 し、余った糖質は体脂肪 となって脂肪細胞
肥大化 させています。
   *血液中の総ケトン体 : 2桁99μ mol/ℓ  以下)

2.マイルドな糖質制限食 ⇒ セミケトジェニック状態 
 1食あたり20~40g (1日60~120g )の糖質を摂取。糖質をある程度摂っていますが、
基礎分泌を上回る過剰なインスリン分泌はなく、ブドウ糖とケトン体 の双方をバランス良く
エネルギー源として利用しています。脂肪細胞の肥大も縮小 も見受けられず、慢性疾患の
リスクは糖質依存状態と比べると相対的に低いと言えます。
   *血液中の総ケトン体 : 3桁 以内(101~999μ mol/ℓ )

3.ストイックな糖質制限食 ⇒ ケトジェニック状態 
 1食あたり20g以下 (1日60g以下 )に糖質の摂取を厳しく制限。基礎分泌を上回るイン
スリン分泌がなく、ケトン体を主要なエネルギー源 として利用しています。脂肪細胞は縮小
して体重は減少 傾向。慢性疾患のリスクが最も低いと言えます。ガン細胞 は糖質を好み、
ケトン体を利用できないため、ケトジェニック状態(ケトン食)はガン患者さんの治療食 として
も注目されています。
   *血液中の総ケトン体 : 4桁以上1000μ mol/ℓ 以上)

 ケトン体の濃度を知るためには血液検査が最も確実ですが、より手軽な尿検査 によるケ
トン体チェックがお勧めです。インターネット通販でも手に入る試験紙に尿をかける だけで
ケトン体濃度 が測定できます。

 尿ケトン体が(-)反応 ならケトン体は2桁で糖質依存状態(+)反応 ならケトン体は3桁
ミケトジェニック状態 になっていると推定されます。(2+~3+)ならケトン体濃度が4桁
ケトジェニック状態 になっていると考えられます。
                                                次回に続く 
                                 ”慢性疾患を根本から治す” より抜粋