運動に認知症の予防効果 があるとの研究は多数報告されている。 更にその多くで中等度
以上の運動を 定期的に継続 することを強調している。 しかし、運動嫌い の人に定期的な運動
の重要性を繰り返し説いても、行動変容 をもたらすのは難しいことも事実である。

 そんな中、米ニューヨーク大のウェンディ・スズキ博士とジュリア・バッソ博士は、たった 1 回の
運動
でも 認知機能を改善 、気分を上向かせてストレスを軽減 させる効果があることを報告
した。 これまでに報告された 運動と認知機能 に関する論文の中から1 回の運動の前後の
知機能
を評価した論文に注目。単一の運動の前後における 認知機能変化 、神経伝達物質
などの 神経科学変化 を包括的に調べた。

 その結果、1 回の運動 でも、実行機能 など脳の 前頭前皮質 の機能が 運動後 2 時間 のあ
いだ、改善 していることが分かった。 実行機能 とは、対立する考えを区別する能力 未来の
結果を予測する能力、人間の個性や社会性
に関連していると考えられている。 また、短期記
に関連した脳の 側頭葉の海馬 の機能や、感情的な記憶 に関連した 扁桃体 の機能も 改善
する傾向が見いだされた。

 更に、気分 に関しては ポジティブ な気分が 高まり、ネガティブ な気分が 減少 する傾向が
24 時間以上 続き、急性ストレス に対する 心理学的反応が減弱 する効果も認められた。
動直後
、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン などの神経伝達物質の分泌が活発化
ていることからこれらの 神経化学的変化 認知機能の改善 をもたらしているーーー と ス
ズキ博士は考察している。

 運動嫌いの人も 1 週間に 1 回でも汗ばむ程度の運動 をすれば、認知機能の維持 に繋が
るかもしれない。

                                                       新聞記事 Dr.白澤 ”100 歳への道” より 転載