夜遅くに食事をすると、体内時計 が狂うので 太り易くなる と言われている。 しかし、夜遅く食べる
習慣の悪影響は 代謝 だけではなさそうだ。 米カリフォルニア大アーバイン校のボギ・アンダーセン
博士らの研究チームは、マウス の実験で異常な時間に餌を摂取させ続けると 皮膚の体内時計
混乱し、紫外線 から 肌を保護する遺伝子 が適切に制御できなくなり、皮膚の老化 が加速する可
能性を示唆して話題を呼んでいる。

 マウス は本来、夜中 に餌を食べたりして 昼間 は寝ている 夜行性動物。 研究チームはマウスを
昼間 の時間帯のみ餌を与える群 ② の時間帯のみ餌を与える群 ③ 24時間何時でも 餌を
食べられる群 に分け3週間飼育した後、皮膚の時計遺伝子 代謝遺伝子修復 に関与する遺
伝子を解析した。

 その結果、 ① 群の 皮膚の体内時計 は ② 群に比べ 概日リズム(生体に備わる約24時間のリズ
ム)がずれていて、なんと10%の遺伝子で 発現リズム異常 が観察された。 異常 が認められた遺伝
子群を解析すると、紫外線による皮膚障害 修復する遺伝子 が含まれていた。

 更にマウスに 紫外線 を照射し 皮膚障害 の程度を調べると、 ① 群は ② 群に比べ 障害程度 が強
かった。 紫外線 のダメージは シワなどの老化症状 と深く関わっている。 研究は、食事摂取のタイミ
ング 皮膚の体内時計に影響 を及ぼすことを世界に先駆けて明らかにしたと言える。

 勿論、マウス の実験結果がそのまま 人間 に当てはまる訳ではないが、現代人の食生活 は夜遅く
に食べる傾向があり、皮膚 のみならず 他の臓器の老化 にも影響を及ぼしている可能性をアンダー
セン博士は指摘する。
 健康長寿 を達成するためには、夜食 は避け、規則正しい食生活 を心掛けたい。

                              (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
                     新聞記事 Dr.白澤 100歳への道 より転載