の中には膨大な 神経細胞 が詰まっており、細胞同士が繋がって 情報を伝達 する一大ネット
ワークを築いています。

 その繋がりを見てみると、神経細胞は長い手( 軸索 )を伸ばし、先端( シナプス )から 神経伝達
物質(情報の伝達物質)を放出します。 この物質をキャッチした 次の神経細胞 が、また 次の細
へと 情報 を運んでいるのです。

 しかも 神経細胞 は手の長さも、先端のシナプスの数も自在に変えられる細胞で、若々しい ”や
わらか” アタマほど、形を変えて シナプス回路 を増やし、情報伝達ルート をどんどん増やしなが
ら、大量の情報を スピーディー に伝えることが出来るのです。

 瞬時に 情報 の伝達物質が受け渡され、様々なルートに流れていくほど、思考や判断 も機敏に
行われ、刺激も楽しみ も多い毎日が送れるというわけです。

アタマの”やわらかさ”を決めているのは、細胞膜の”アブラ”
 一つひとつの 細胞 は、血液や体液 に溶けてしまわないように、アブラの膜 で覆われています
脳細胞 も同じです。 実は、この膜に 流動性柔らかさ ) があると、シナプス からの 情報
伝達物質の放出も スムーズ になることが分かってきました。

 細胞膜 を拡大すると、アブラの分子が二重構造 で並んでいるのが分かります。よく見ると、
胞膜 に並んだアブラの分子には 2本の足 がついています。 その足がどのような 脂肪酸 で出来
ているか、これが 大きな分かれ道 です。

 アブラの種類 を決める主成分の 脂肪酸 には、飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸 がありますが、
飽和脂肪酸 の足は 真っ直ぐ で、この足を持つ分子が多いと ぎっしりスキマなく 並んで、細胞膜
硬さ 与えます。

 一方、不飽和脂肪酸 の足は くねっと曲がり、並んだ時に スキマ が出来て ゆらゆら動く ので、
胞膜 流動性柔らかさ )が生まれます。 この様な 細胞膜 なら、放出される 情報の伝達物
の量も増え、スピーディー に情報が伝わります。

 大切なのは 2つの脂肪酸のバランス で、加齢 などによって 不飽和脂肪酸 が減ると、細胞膜
柔らかさ を失い、それにつれて アタマ ”かたく” なるのでは と考えられています。

いいアブラを摂って、細胞膜のアブラを入れ替えよう
 
を重ねて 脳の細胞膜 柔らかさ を失ってきていないだろうか?」 「アタマが ”かたく” なっ
ているのではないか?」 と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。

 でも、大丈夫です。 細胞膜の アブラ は幾つになっても少しずつ 入れ替わり、また 柔らかさ
取り戻すことが 可能 だからです。
 
 実は、脳の神経細胞 の殆んどは、生まれた時に作られたまま です。 それでも 古くならず に
十年たっても 情報伝達 が行えるのは、細胞膜のアブラ を日々 リニューアル することで、柔軟性
を維持
しているためです。

 リニューアル の材料は、私達が 食事 から摂っている アブラ です。 どんなアブラ を体に入れる
かが、にとって 如何に大切か 分かるのではないでしょうか。

 特に、細胞膜の柔らかさ に欠かせないと言われているのが、不飽和脂肪酸 ARAアラキド
ン酸
)と、DHAドコサヘキサエン酸 )です。

 これらの いいアブラ 上手に摂り続け、細胞膜の柔らかさ を出来る限り保つこと。 加えて、
体を動かし脳に刺激 を与えること。
  それこそが、何時までも 若々しい ”柔らか” アタマの秘訣 です。

                                        情報誌(美感遊創)より 転載