数年前、アカゲザルを使った実験で、カロリー制限 により 糖尿病やガン などの 生活習慣病、認知症
骨粗しょう症 などの発症が 予防 できることが報告された。

 発表された写真を見ると、カロリー制限群 のアカゲザルは 毛並みが良く表情も若々しい のが印象的
だ。 ネズミなどの実験でも カロリー制限群 滑らかで長く、フサフサ していることは知られてい
た。 しかし、その 生理学的意義 についてはよく理解されていなかった。

 ブラジルのサンパウロ大のアリシア・J・コワルトウスキー博士らの研究チームは、ネズミが 低カロリー
に適応するために 細胞の代謝 を低下させるだけでなく、体温 を保つために を伸ばして 断熱効果
高めていることを証明し、話題を呼んでいる。

 チームが カロリーを制限 されたネズミの 皮膚 を顕微鏡で詳細に観察したところ、毛根 にある 幹細胞
が増えて 増毛 につながっていることが分かった。 更に、摂取カロリーの減少 皮下脂肪 が薄くなり
熱効果
が下がっていることに適応するため、上皮 を厚くして 皮下の血管 を増やし、体温 を保っている
ことも分かった。

 これを証明するために カロリー制限群 のネズミの 体毛 の一部をそると、全身の代謝 が乱れ、運動障
を発症した。 コワルトウスキー博士は、体毛や皮膚 保温効果 を通じて 体全体 代謝の調節
重要な役割を果たしていると考察する。

 年をとって が薄くなったことを気にしている人も多いだろう。 しかし、もし中年期 に食べ過ぎて 肥満
傾向があるとすれば、全身の代謝 の影響で が薄くなっている可能性もあるかもしれない。
 毛が増えるかどうかは別としても、摂取カロリーのチェックや運動による代謝の改善 は常に心がけて
いただきたい。
                                 (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
                     新聞記事 Dr.白澤 ”100歳への道” より 転載