臓器の幹細胞に障害
過度の 飲酒 が 老化促進 や 認知機能障害 をもたらすことは知られて
いたが、酒中 のどの成分が 体 のどの 細胞 を標的にしているのかはよ
く理解されていなかった。
一般に 酒 を飲み過ぎると 肝機能 が異常を示すことから アルコール
の悪影響は 肝機能障害 と認識されがちだ。 ところが、老化促進 や
認知機能障害 のメカニズムは 肝細胞 ではなく 臓器幹細胞 が傷つけ
られていることが、英国ケンブリッジにある 分子生物学研究所 の ケタ
ン・J・パテル博士 らの マウス を使った実験で明らかになった。
研究チームは、エタノール(アルコール) の 代謝産物 である アセト
アルデヒド を マウス に投与。その結果、骨髄中 の 造血幹細胞 の
DNA が切断され、貧血 を発症することを突き止めたのである。
幹細胞 の DNA の傷は速やかに 修復 されないと ガン化 することが知
られている。
飲酒 は 大腸ガン や 乳ガン の 発症要因 として指摘されてきたが、パ
テル博士 は今回の研究で、それぞれの 臓器 の 幹細胞 が アルコール
摂取 により ガン化 する仕組みが明らかになった点を強調している。
アセトアルデヒド は 二日酔い の原因物質なので、二日酔い を起こさ
ない程度の 飲酒 ならば 幹細胞障害 は少ないと考えられる。 一方で、
アセトアルデヒド を 酢酸 に分解する アセトアルデヒド脱水素酵素 は
遺伝子 に個人差があり、日本人 の約半数は 酒 に弱い AGタイプ で
あることが知られている。
このタイプは 飲酒後、アセトアルデヒド の 毒性 が長時間、体内 に
持続するため、臓器幹細胞 が障害を受けやすいと考えられる。
脳 の 幹細胞 が 認知機能、皮膚 の 幹細胞 が 皮膚 の 老化 に関与して
いることを考えると、高齢期 は 二日酔いしない 程度の 飲酒 にとどめ
ておくのが良さそうだ。
(白澤卓二 ・ 御茶ノ水健康長寿クリニック院長)
新聞記事 Dr.白澤の ”100 歳 への道” より転載
過度の 飲酒 が 老化促進 や 認知機能障害 をもたらすことは知られて
いたが、酒中 のどの成分が 体 のどの 細胞 を標的にしているのかはよ
く理解されていなかった。
一般に 酒 を飲み過ぎると 肝機能 が異常を示すことから アルコール
の悪影響は 肝機能障害 と認識されがちだ。 ところが、老化促進 や
認知機能障害 のメカニズムは 肝細胞 ではなく 臓器幹細胞 が傷つけ
られていることが、英国ケンブリッジにある 分子生物学研究所 の ケタ
ン・J・パテル博士 らの マウス を使った実験で明らかになった。
研究チームは、エタノール(アルコール) の 代謝産物 である アセト
アルデヒド を マウス に投与。その結果、骨髄中 の 造血幹細胞 の
DNA が切断され、貧血 を発症することを突き止めたのである。
幹細胞 の DNA の傷は速やかに 修復 されないと ガン化 することが知
られている。
飲酒 は 大腸ガン や 乳ガン の 発症要因 として指摘されてきたが、パ
テル博士 は今回の研究で、それぞれの 臓器 の 幹細胞 が アルコール
摂取 により ガン化 する仕組みが明らかになった点を強調している。
アセトアルデヒド は 二日酔い の原因物質なので、二日酔い を起こさ
ない程度の 飲酒 ならば 幹細胞障害 は少ないと考えられる。 一方で、
アセトアルデヒド を 酢酸 に分解する アセトアルデヒド脱水素酵素 は
遺伝子 に個人差があり、日本人 の約半数は 酒 に弱い AGタイプ で
あることが知られている。
このタイプは 飲酒後、アセトアルデヒド の 毒性 が長時間、体内 に
持続するため、臓器幹細胞 が障害を受けやすいと考えられる。
脳 の 幹細胞 が 認知機能、皮膚 の 幹細胞 が 皮膚 の 老化 に関与して
いることを考えると、高齢期 は 二日酔いしない 程度の 飲酒 にとどめ
ておくのが良さそうだ。
(白澤卓二 ・ 御茶ノ水健康長寿クリニック院長)
新聞記事 Dr.白澤の ”100 歳 への道” より転載
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