卵の積極摂取が有効か
厚生労働省は2015年、男性 750 ㎎ 、女性 600 ㎎ 未満としてきた 1 日の コレステロール の
摂取基準を撤廃し、卵 摂取推奨量を 1 日 1 個以下としてきた栄養指導基準を見直した。
卵黄 に含まれる コレステロール や レシチン が 脳 の 認知機能維持 に重要な役割を果たすこ
とも再確認され、認知症予防 の 栄養学 でも 卵 が見直されている。
そんな中、卵 摂取が 運動後 の 筋肉合成 を増強するという米イリノイ大の研究結果が話題を
呼んでいる。 高齢期 には 加齢性筋肉量低下症(サルコペニア)で 歩行障害 や 転倒 が起こり
易くなることから、この研究成果により 高齢期 の タンパク質 摂取における 卵 の重要性が再確
認されたと言える。
ニコラス・ブード博士らの研究チームは、卵黄 には 卵白 にない栄養成分があり 筋肉 の タン
パク合成 に重要な役割を果たしている可能性に注目した。
健常被験者10人を対象に、30分の 筋トレ の後、① タンパク質 18 g に相当する 全卵 を摂
取した後と ② タンパク質 18 g 卵白 のみを摂取した後で、血液中 の アミノ酸 を測定し、更に
生体検査 によって 筋肉 の 代謝 および新しく合成された 筋肉組織 の量を調べ、それぞれ比較
検討した。
その結果、分解された アミノ酸 の量や 筋肉細胞 の 代謝 は ① ② で同等であったが、運動 に
より新たに合成された 筋肉組織 の量は ② に比べ ① の方が 41% も多いことが分かった。
卵黄 には 卵白 には含まれない ビタミン や ミネラル成分、DHA、リン脂質 などの 脂肪成分 が
豊富に含まれていることから、それらが 運動後 の 筋肉組織 の 再生 に関与しているとブード博
士は考察する。
高齢期 には 認知症 と サルコペニア の 予防 が重要課題であるが、卵 は 認知機能低下 と
筋肉量低下 の両方を予防できる 食材 として有望と言えるだろう。
( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )
新聞記事 Dr. 白澤 ” 100 歳 への道 ” より 転載
厚生労働省は2015年、男性 750 ㎎ 、女性 600 ㎎ 未満としてきた 1 日の コレステロール の
摂取基準を撤廃し、卵 摂取推奨量を 1 日 1 個以下としてきた栄養指導基準を見直した。
卵黄 に含まれる コレステロール や レシチン が 脳 の 認知機能維持 に重要な役割を果たすこ
とも再確認され、認知症予防 の 栄養学 でも 卵 が見直されている。
そんな中、卵 摂取が 運動後 の 筋肉合成 を増強するという米イリノイ大の研究結果が話題を
呼んでいる。 高齢期 には 加齢性筋肉量低下症(サルコペニア)で 歩行障害 や 転倒 が起こり
易くなることから、この研究成果により 高齢期 の タンパク質 摂取における 卵 の重要性が再確
認されたと言える。
ニコラス・ブード博士らの研究チームは、卵黄 には 卵白 にない栄養成分があり 筋肉 の タン
パク合成 に重要な役割を果たしている可能性に注目した。
健常被験者10人を対象に、30分の 筋トレ の後、① タンパク質 18 g に相当する 全卵 を摂
取した後と ② タンパク質 18 g 卵白 のみを摂取した後で、血液中 の アミノ酸 を測定し、更に
生体検査 によって 筋肉 の 代謝 および新しく合成された 筋肉組織 の量を調べ、それぞれ比較
検討した。
その結果、分解された アミノ酸 の量や 筋肉細胞 の 代謝 は ① ② で同等であったが、運動 に
より新たに合成された 筋肉組織 の量は ② に比べ ① の方が 41% も多いことが分かった。
卵黄 には 卵白 には含まれない ビタミン や ミネラル成分、DHA、リン脂質 などの 脂肪成分 が
豊富に含まれていることから、それらが 運動後 の 筋肉組織 の 再生 に関与しているとブード博
士は考察する。
高齢期 には 認知症 と サルコペニア の 予防 が重要課題であるが、卵 は 認知機能低下 と
筋肉量低下 の両方を予防できる 食材 として有望と言えるだろう。
( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )
新聞記事 Dr. 白澤 ” 100 歳 への道 ” より 転載
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