断食と睡眠で神経細胞再生
 前回のコラムで、アポE4遺伝子 を持つ人は40歳から アルツハイマー病 の予防が必要であ
ることを解説した。  神経細胞 が炎症反応を引き起こし易く 炎症型アルツハイマー病 を発症
するからだ。

 発症年齢 は早く、血液検査で 炎症性バイオマーカー が陽性になることが多い。 炎症 の引き
金は、ウィルス 細菌感染  ☆ 打撲 骨折 などの外傷  ☆ 酸化LDL など損傷したタンパク質
や脂質 ーー ほか多種多様。 慢性的な 炎症 への 防御反応 として アミロイドベータ蛋白 が蓄
積し、神経細胞 変性 してしまう。

 デール・ブレデセン博士著 アルツハイマー病 真実と終焉 (白澤監修) が紹介する新治療
リコード法 では、炎症と変性 を抑えるために食事療法 「 ケトフッレクス 12 / 3 」 を勧める。
12 / 3 とは毎日12時間以上の 絶食 と、寝る前の3時間の 絶食 を指す。

 前日の 夕食 午後8時 までに済ませ、午後11時 には 就寝。 毎日 8時間 睡眠 に翌朝
ココナツオイル 入りのコーヒーが朝食代わり、昼0時に平飼い 卵2個 緑黄色野菜サラダ
軽めの ランチ。 午後7時の 夕食 では緑黄色野菜に薬味として魚、鶏、肉 。 肉なら 牧草牛、魚
なら大型魚は避けて サケ、サバ、イワシ、ニシン など、キムチ ザワークラウト などの発酵食品
デザート には ナッツ、ココナツフレーク、ダークチョコレート、お酒を飲むなら 赤ワイン をグラス2杯
までと する。

 毎日 12時間 絶食 により オートファジー 自己貪食 が誘導され、に蓄積された
ミロイドベータ蛋白 が徐々に掃除され、ココナツオイル で誘導された ケトン体 炎症 を抑え、8時
間の 睡眠中 神経細胞 再生 するプログラム。 

 これに毎日の適度な 運動 を加えれば、アポE4遺伝子 を持つ人も 認知機能 を保てるだろう。 

                           (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                     新聞記事 Dr. 白澤  ” 100歳 への道 ” より 転載