近年、近視 の人に対して盛んに行われるようになった 「 レーシック 」 は、レーザー 角膜
削って 屈折率 を変えることにより、視力 を矯正する手術です。 このような治療が出来るのは、
角膜 にある程度の厚さがあり、角膜 にも 屈折作用 があることによります。

 厚さ o.5 ~ 0.7 ㎜ の 角膜 は、「 角膜上皮 」 「 ボーマン膜 」 「 角膜実質層 」 「 デスメ層
角膜内皮層 」 の五層構造になっています。 

 レーシック では表面の二層を薄く剥ぎ、露出した 角膜実質層 レーザー で蒸散させてから、
剥いだ二層を元に戻す方法が採られます。 こうすると 角膜 の表面が凹み、凹レンズ 眼鏡
をかけたのと同じ効果が得られるのです。

 日本で レーシック が実用化されたのは 2000 年からで、歴史 が浅いため、手術後 20年、
30年の 長期保証 はありません。 ただでさえ薄い 角膜 を削るのですから、強度が問題になる
でしょうし、老化現象 も加わりますから、将来どうなるかわかりません。

 これは レーシック に限ったことではなく、医学 の新しい治療は、何れも始めは 長期予後 など
分からずに始まります。 ですから、今、レーシック を受けている人は、ある意味で、後進 のた
めの 実験台 になってくれているともいえます。

                                  久坂部 羊 著 ” カラダはすごい !” より