認知機能が向上
 臓器 には 組織幹細胞 と呼ばれる 自己複製能力 分化能力 のある 細胞 が存在し、組織の
再生 機能維持 に重要な役割を果たしている。 組織幹細胞 は年をとるとその 複製能
が低下するため、組織の 再生能力 臓器機能 も下がることが知られている。

 にも 神経幹細胞 が存在し 機能維持 に重要な役割を果たす。 アルツハイマー病 など
経細胞 が減少する病気でも、新生 される 神経細胞の数 が勝れば 認知機能 の低下を改善で
きるかもしれない。

 そんな中、米マサチューセッツ工科大のデビッド・サバティーニ博士らの研究チームは 24 時間
断食 腸管 幹細胞 加齢性減少 を抑え、腸管 再生能力 が劇的に 改善 することを
明らかにした。 研究チームは、24 時間 絶食 させたマウスの 腸管 から 幹細胞 を採取し 再生
能力 を調べた。

 その結果、対照群のマウスの 幹細胞 に比べ 組織再生能力 が 2 倍に増えていた。 代謝
調べると、肝細胞 絶食 により 糖質 の代わりに 脂肪酸 エネルギー源 に使っていることが
分かった。 サバティーニ博士は、肝細胞 脂肪酸 代謝 すると 再生能力 を維持するため
の多くの 遺伝子 のスイッチを オン に出来ることを突き止めた。

 最近の アルツハイマー病 の治療法 「 リコード法 」 では、認知機能 改善のために 12~16時
絶食 を勧めている。 

 絶食 により 脳内 に蓄積した アミロイドβ蛋白 自己貪食 されると考えられてきたが、更に今
回の研究から、絶食 神経幹細胞 が活性化することにより 神経細胞 が新生して 認知機能
改善する ーーー というメカニズムが示唆された。
 
 今回は マウス 腸管幹細胞 の実験に過ぎないが、ヒト 脳、筋肉、骨髄 などでも同様の
食効果 が期待できる。 どの程度の 絶食 ヒト 組織再生力 の向上につながるかなど今後
の研究課題だ。

                            (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                      新聞記事 Dr. 白澤 ” 100 歳 への道 ” より 転載