海馬 短期記憶 で重要な役割を果たしていることが知られている。 アルツハイマー病
が進行し 海馬 が萎縮すると、数時間前の 記憶 も保持できなくなる。 一方、固有名詞 などの
期記憶 大脳皮質 で保持されていることから、大脳皮質 海馬 と同様に 記憶 の保持に重要
な役割を果たしていることも分かった。

 最近の研究で、アルツハイマー病 では 50代前半から 大脳皮質 アミロイド 沈着が観察され、
固有名詞が思い出せないなどの 記憶力障害 が先行症状として出現すると考えられている。

 そんな中、米カリフォルニア大と筑波大の共同研究チームが、軽度の運動 で 海馬 大脳皮
機能的結合 が良好になり 記憶力 が向上することを明らかにして話題を呼んでいる。

 研究チームを率いた筑波大の征矢英昭教授は、記憶 の メカニズム として 海馬 大脳皮質
機能的神経結合 が大きな役割を果たしている点に注目。 

 認知機能 が正常な36人を対象に、自転車を使った 10分間の 軽い運動 の前後で 記憶力テ
を実施し、機能的磁気共鳴画像化装置 ( f MRI ) による 海馬 大脳皮質 機能的神経結合
を検討した。 その結果、ストレス を感じないような 10分間の 軽度 の運動でも 記憶力 が向上す
ることが分かった。

 更に  f MRI で解析すると、記憶力向上 に伴い 大脳皮質領域 のうち 左脳頭頂葉 の 「 角回 」、
左脳側頭葉 の 「 紡錘状回 」、「 海馬傍回 」 と呼ばれる計 3ヵ所の領域と 「海馬歯状回 」 との間
機能的神経結合 が増強されていることが分かった。

 今回の研究で 軽度の運動 によって 記憶力 が向上するメカニズムの一端が解明された。 日々
の生活の中に短時間の ウオーキング 太極拳 など軽度の運動を取り入れることで 記憶力 を高
めることが期待できる。                           
                           (白澤卓二 ・ 御茶の水健康長寿クリニック院長)

                  新聞コラム  ” Dr. 白澤 100 歳への道 ”  より 転載