食物繊維 は植物に含まれている 難消化性成分 の総称で、大きく 水溶性 不溶性 に分類
される。 従来は役に立たないと考えられてきたが、最近の研究で 腸内の細菌 により分解され
エネルギー源 として利用されるのみならず、食後の 血糖上昇 コレステロール の 吸収 を抑
制する効果、肥満防止効果 などが確認されている。
 
 厚生労働省は 1日の 摂取基準 として 18歳以上の男性 20g 以上、女性 18g 以上を目標
値としているが、現状の 平均摂取量 は 15g で、多くの国民が摂取基準を満たしていない。

認知機能の維持に効果
 そんな中、米イリノイ大学のステファニー・マット博士らの研究チームは、高齢期の 認知機能
低下 認知症 の発症に の 炎症 が大きな役割を果たしていることに注目。 腸内細菌
水溶性食物繊維 を分解して産生する 酪酸 などの 短鎖脂肪酸 が、の 炎症 を抑制し
老化性変化 を遅らせる可能性を 動物実験 で検証した。

 研究チームは高齢マウスを 水溶性食物繊維 の含有量が低い餌の群と、含有量が高い餌の
群に分け 4週間飼育した後、の 炎症 を 比較・検討 した。

 その結果、水溶性繊維 の含有量が 低い群では 脳の海馬 に強い 炎症 が認められたが、

性繊維 の含有量が 高い群では 酪酸 などの 短鎖脂肪酸 の産生が認められ、
海馬 の 炎症 が抑制されていた。

 マット博士は、腸内 の 善玉菌 が 水溶性繊維 を分解した 代謝産物 である 酪酸 などの
鎖脂肪酸 ミクログリア という 炎症細胞 に直接作用 し、脳の海馬 の 炎症 を抑制す
ることが明らかになった点を強調する。

 ちなみに今回の実験に用いられた 水溶性食物繊維 イヌリン キクイモ ニンニク
マネ
ゴボウヤーコン といった食材に豊富に含まれている。 高齢期の 認知機能 を維持
するためにも積極的に 水溶性食物繊維 を 摂取 したい。   
                                  (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                               新聞コラム Dr. 白澤 ” 100歳 への道 ” より