ヒト エネルギー の正体
 どんなに強力で効率的な エンジン を積み込んだ 自動車 や 宇宙ロケット でも、
適切に エネルギー が供給されないと 1 ミリ だって動きません。
 同様に 生体 も エネルギー が供給されないと正しく機能しません。 そのため
に 細胞 に潜んでいるのが ミトコンドリア です。
 
 自動車 や ロケット では エネルギー を生み出す エンジン は一つの ユニット に
なっていますが、ヒト では エンジン は細胞の一つ一つに分散配置されています。
 それが ミトコンドリア。 円形、繭状、ヒモ状 と多彩な形をした 細胞内小器官
であり、ヒト が使う エネルギー の大半を生み出しています。

 ヒト のように、細胞核 を持つ 細胞(真核細胞)の集まりからなる生物を「 真核
生物 」と呼びますが、真核細胞 には必ず ミトコンドリア が潜んでいます。

 ミトコンドリア の祖先は、私たちの 腸内 に棲み着いて共生している 腸内細菌
同じように、真核細胞内 に共生する道を選んだ バクテリア だと言われています。
エネルギー を効率的に生み出してくれる ミトコンドリア と共生することは、家主で
ある 真核生物 にとっても好都合だったのでしょう。

 ミトコンドリア に更に詳しく触れる前に、ヒト が使っている エネルギー の正体に
ついて考えてみます。

 筋肉 心臓 など ヒト の 細胞 の エネルギー源 になっているのは、食事から摂り
入れる 糖質、脂質、タンパク質 のいわゆる 3 大栄養素。 タンパク質 は身体を
作る働きがメインであり、糖質 脂質 で 全エネルギー の 90 % を作り出している
と言われています。  

 ただし、3 大栄養素 が直に エネルギー になっているのではありません。 細胞 の
直接の エネルギー源 になっているのは、ATP (アデノシン三リン酸)という エネル
ギー貯蔵物質 です。

 ATP アデニン リボース という物質に 3個の リン が付いた構造をしています。 
そこから リン が一つ外れて ADP (アデノシン二リン酸)になる時に発生する 化学エ
ネルギー が、細胞 の直接の エネルギー源 となるのです。 ATP の貯蔵量には限り
がありますから、細胞 は ADP ATP に リサイクル して再利用しています。 その時
に利用されているのが 糖質 脂質 などの 栄養素 なのです。

 成人男性が 1日に産生・再利用している ATP は、その人の 体重 にほぼ等しいと言
われています。 体重 60 ㎏ なら延べ 60 ㎏ の ATP を 産生・再利用 しているのです。 
そして 身体 が消費している ATP の殆ど全てを休みなく生み出しているのが、細胞内
の 小さな器官 である ミトコンドリア なのです。

                                       斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                                                                  「機能性医学」の考え方