ATP 再生の4段階
 ミトコンドリア は普通の 細胞 一つ当たり凡そ 2500個存在しており、エネルギー
をより多く必要とする 心臓 肝臓 の細胞ではその 10~20 倍 の ミトコンドリア が存
在しています。

 ATP が再生される プロセス は大きく 4つの段階 に整理されます。
 
 第1段階 では、食べ物 に含まれている 糖質、脂質、タンパク質 の 3大栄養素 が 消
化吸収 によって 巨大な 分子 から 簡単な 構成分子 に分解されます。

 第2段階 では、3大栄養素 の 構成分子 が ミトコンドリア内 に入って アセチルCoA
に転換されます。

 第3段階 では、第2段階 で蓄積した アセチルCoA を出発点として TCA回路 を駆動し
て大量の ATP を産生させます。
 TCA 回路 で燃焼が起こって 二酸化炭素 を産生するときに 電子 が生じます。 その
電子ビタミン の一種である NAD FAD が受け取り、それぞれ NADH FADH
変わります。 NADH FADH 、そして 呼吸 で取り入れた 酸素 が反応すると更に大
量の 電子 が発生します。

 最後の 第4段階 は 「電子伝達系」 と呼ばれます。 ミトコンドリア は 内膜 と 外膜
という二重の膜 で覆われていますが、この 膜 の間に 膜間腔 という 空間 があります。 
大量に発生した 電子 はこの 膜間腔 に蓄積するため、腹間腔 と 内膜 の間に 電気的 な
勾配が生まれます。 プラス の 電荷 を持つ 電子 を貯めた 腹間腔 プラス側 に傾く
のです。

 生体 は 電気的 に安定するために、電子 を 内膜 へ戻して 電気的 な勾配を フラット に
しようとします。 この時 水力発電 で高い所から 水 を流してタービンを回すように、電
気化学的 な エネルギー が生じて ADP から ATP が 合成 されます。 合成 された ATP
専用の 輸送体 によって速やかに ミトコンドリア の外へ運び出されて、遺伝子 の読み出し
タンパク質 の 合成 といった 細胞 の活動に利用されています。

 酸素 を使わず 細胞質 で行われる 解糖系 では、1 分子の グルコース  から 2分子の ATP
しか生まれませんが、ミトコンドリア内 酸素 を使う TCA回路と電子伝達系 では、1 分
子の グルコース から 38 分子の ATP が 合成 されます。 即ち、ミトコンドリア は極めて
効率的な エンジン なのです。

              斎藤糧三 著 ” 慢性病を根本から治す ” より
                                                                    「機能性医学」の考え方