積極的に摂取を
 菌類 に属する キノコ は、傘状 の子実態が 細胞外 に 分泌 する 酵素 で 有機物 を
分解吸収 することで 成長 し、胞子 を作り 繁殖 を 繰り返す 生物 である。 

 食用 になるものは 300 種類以上が報告されていて、抗菌作用 抗ウイルス作用
コレステロール低下作用血糖降下作用血圧降下作用 などが見いだされている。
漢方薬 の 原料 や 健康食品 として販売されているものもある。

 そんな中、キノコ を 1 週間に 2回以上摂取した 高齢者 は 軽度認知障害 MCI
を 発症 する リスク が 低減 したという シンガポール 国立大学 の レイ・フェング
博士 らの 研究が話題を呼んでいる。 高齢化社会 の問題に積極的に取り組んでいる
シンガポールでは、認知症 でも 人生 を楽しめる社会づくりを目指している。

 フェング博士 らの 研究チームは、「 食事 と 健康的 な 老化研究 」に参加した 60
歳以上の 健常 な 高齢者 633人を対象に、認知機能 の 低下 と キノコ の 摂取量 の
関連性 を調査した。 その結果、キノコ の 摂取量 が週に 2回以上の 高齢者 は、週
に1回未満の 高齢者 に比べ MCI を有する リスク が 57% も低いことが分かった。

 これまでの研究で、認知症 の患者は 血中エルゴチオネイン の 濃度 が 健常 な 高齢
者 より低いことが報告されていることから、フェング 博士 は キノコ に含まれる
酸化物質・エルゴチオネイン認知症 の 進行 を遅らせた可能性を考察する。
                                      
 エルゴチオネイン ヒト の 体内 で 合成 することが出来ない アミノ酸 で、食事
サプリメント で 摂取 するしかない。 シイタケマイタケハナビラタケ
ノキタケエリンギヒラタケタモギタケ などに 豊富 に含まれている他、甘酒
も含まれている。

  高齢期 の 認知機能 を保つためにも 積極的 に キノコ を 摂取 したい。

                (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

          新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より