安全性の再検証を
 除草剤 などに使われている 化学薬品 グリホサート について、世界保健機関 WHO
の 外部組織 である 国際がん研究機関 は 2015 年、殺虫剤 マラチオン などと共に 発がん
リスク が 2 番目に 高いグループ に指定した。

 この グループ は、ヒト に対して「 恐らく発がん性がある化学物質 」の カテゴリー分
類 とされているが、グリホサート は 現在も 多くの国で 使用 が 許可 されている。

 そんな中、米ワシントン州立大 の マイケル・スキナー博士 らの 研究チーム は、ネズ
ミ の 実験 で グリホサート が 次世代以降 の 子孫 の 前立腺疾患腎臓病 などの 発症リ
スク を 引き上げる可能性を 示唆して話題を呼んでいる。

 研究チーム は グリホサート生殖細胞 に作用した場合、影響 が 孫 の 世代 に出現す
る「 隔世的影響 」に注目。 妊娠中 の メス に 一時的に 許容量 の グリホサート を 投与
後、親世代、次世代( F 1 )、孫世代 (F 2 )、曾孫世代( F 3 )における 種々の 病気
の 発症率 を 解析 した。

 その結果、親 世代 と F 1 世代では 健康 への 影響 はなかったが、F 2 及び F 3 世代で
前立腺疾患肥満症腎臓病卵巣疾患 及び 先天性奇形 の 発症率 が 有意に高いことが
分かった。

 F !、F 2、F 3 世代 の 精子デオキシリボ核酸DNA )が メチル化 されていたこと
から、グリホサート 生殖細胞 に影響を及ぼし、その結果として、F 2、F 3 世代 で
を 引き起こしたと スキナー博士 は考察する。

 グリホサート は 1970 年に発売されてから 50 年近くが経過しており、ヒト への 影響
は F 2 世代 に突入している。 一方、前立腺疾患肥満症 などの 病気 は 2000 年 過ぎ
から 急増しており、その 要因 の 一つとして グリホサート の 関与 を 否定 出来ないので
はないか。

 健康長寿 を目指すためにも 安全性 の 再検証 が必要だろう。

                  (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                   新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より