気になる認知症 への 影響
 二酸化チタン は 白色 で、自動車 の 塗装、塗料、プラスチック、印刷インキ、食品
添加物、歯磨き粉、日焼け止めクリーム、白色顔料、美肌化粧品 と 用途 は幅広い。

  食品添加物 でも 白色着色剤 として チューインガム、脱脂粉乳、チーズ、ヨーグルト、
マヨネーズ、チョコレート、マシュマロ、加工されたファストフード などに使われてい
る。

 しかし、二酸化チタン発がん性 が 指摘 され、国際がん研究機関( IARC )は、
酸化チタン を「 ヒト への 発がん性 がある可能性がある 」グループ 2 B の 物質 に分類。
フランス政府 は 2020 年 1 月 1 日 から 二酸化チタン を含む 食品 の 市場投入 を禁止す
ると先月( 4 月 17 日 )発表し、安全性 に対する 懸念 が広がっている。

 中国・広州市 の 南方医科大 の ビン・ソン博士 によれば、食品添加物 に使われている
二酸化チタン は ナノ 粒子 という非常に 小さい粒 に 調整 されているので、脳血管関門
を 通過 して に 到達し、神経毒性 を示す 可能性 があるという。

 実際、二酸化チタン を 投与 した ネズミ実験 に関する 13 本 の 研究論文 を詳細に 評
価  したところ、経口投与、静脈注射、皮下注射、鼻腔内投与 の何れの方法でも 脳内
到達し、神経細胞 に対す る 酸化ストレス神経毒性、更に 空間記憶 や 学習 などの
知機能障害 が報告されているとし、安全性 に対する 警鐘 を鳴らす。

 また、そのうち 3 本の 研究 では 二酸化チタン を 妊娠ネズミ に 投与 し 子孫 への 影
響 を検討しているが、胎盤 を通過して 胎児 の 発育 を 阻害し、子孫 で 精神神経発育障
が認められた。

 二酸化チタン は 日本 でも使われているが、認知症 が急増している 時代背景 を考慮す
ると、認知機能 に 影響 を及ぼしうる 食品添加物 については、長期的 な 健康影響 を 再
評価 する 新規評価軸 も必要になるだろう。
                                                                 ( 白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長 )

                                        新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より