抗認知症薬 を使う患者の約 3 分の 2 が、学会の 診療ガイドライン で推奨されている
甲状腺機能検査 を受けていないとの 調査結果 を、医療経済研究機構 の チーム がまと
めた。

 認知症 の症状は 甲状腺機能低下症 でも表れ、その場合は適切に 治療 すれば回復が期
待できる。 検査を受けないと、改善が見込める 病気 を見逃して不要な が使われ続け
ることになり、チームは「 医師 は適切に鑑別してから 薬 を出すべきだ 」と指摘する。

  国内の 認知症患者 は 2012 年の推計で約 462 万人。 アルツハイマー病 など治療が難し
いものもあるが、海外のデータなどから、1 割前後は 甲状腺機能低下症 などに伴う症状で
回復可能とみられている。

 このため 日本神経学会 など複数の学会は、17 年策定の 認知症疾患診療指針 で、認知症
と診断した場合に 甲状腺ホルモン などを測定する 機能検査 の実施を推奨している。

 しかし、同機構が 国 の レセプト( 診療報酬明細書 )情報 の データベース から、15 年
度の 1 年間に 認知症 と診断されて 抗認知症薬 を新たに出された 65 歳以上の患者 26 万 2
279 人分を分析したところ、 が出る 1 年前までに 甲状腺機能検査 を受けた人は 33 % に
とどまった。

 実施率は 診療所 が 25.8 % と低く、専門的な治療を担う 認知症疾患医療センター に指
定された 医療機関 でも 57.1 % だった。 高齢 になるほど、甲状腺機能検査 が行われな
い傾向もみられた。

 抗認知症薬アルツハイマー病 レビー小体型認知症 に処方され、症状の進行を緩や
かにする効果がある。 甲状腺機能低下症 には適応がない。

 同機構主任研究員 の 佐方信夫医師は 治せるはずの 認知症 が検査をしないことで見過
ごされ、大きな問題だ。 不適切な 薬 の服用で、症状の改善が見込めないばかりか、食欲
不振めまい など患者に 不利益 を与えている恐れもある と話す。
      
                             ” 新聞記事 " より 転載