入眠 の 1 ~ 2 時間前の 入浴 が有効
 睡眠 の「 」が 認知機能 に影響を与えることはよく知られている。 睡眠時間 が
極端に短くなったり 徹夜 をしたりすると、アルツハイマー病 の 原因物質 と考えられ
ている アミロイド β タンパク質 の 蓄積が増えることも 本コラム で紹介した。

 夕食 の内容も 睡眠 に影響を与える。 良い 睡眠 のためには、夕食 は カロリー
糖質 が 控えめで、食物繊維 の多い 日本食 が お勧めだ。 ならば 入浴 は、睡眠
どんな影響を与えるのだろうか。

 米テキサス大 の シャハブ・ハグハイ エ グ 博士 らの研究チームは、入眠 の 1 ~ 2 時
間前に 湯温 40 ~ 42.5 度 の バスタブ に入浴するか シャワー を浴びると 良い睡眠
つながると報告して話題を呼んでいる。

  入浴 と 睡眠 の 質 に関する 研究論文 17本について、睡眠時 の 脳波 から評価された
睡眠 の 質 と、入浴 の タイミング、バスタブ の 湯温 などの 入浴の条件 との関連性を
詳細に 解析した結果、寝る 1 ~ 2 時間前の 40 ~ 42.5 度の 入浴良い睡眠 に最適
の 条件であることが分かった。
 
 入浴時間 は最短で 10 分あれば効果が得られた。 更に、同温度の シャワー を浴び
たり、足 を 温める フットバス を使用したり することでも同様の効果が得られたが、
この点について ハグハイ エ グ 博士 は、温まった 手足 からの 放散 深部体温
急速な 低下 を 誘導し、良好な 入眠条件 になっていると考察する。

 夜中に クーラー をつけて寝るかどうか悩んでいる人も多いと思うが、入浴後 の 手足
からの 熱 の 放散 が重要であるとすれば、寝苦しい夜 には 部屋を 適度に 冷やして 放散
効率 を 高めた方が 良い 睡眠 を 誘導できると考えられる。

 一方、靴下 を履いて寝ることは 熱 の 放散 を妨げるので、睡眠 の を考えると お勧
め できない。  の 寝苦しい夜 の 睡眠 の を上げるために、参考にしてほしい。

                                                  (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

             新聞コラム Dr.白澤 ” 100 歳への道 ” より