肥満( 世界保健機関基準で BMI 30 以上 )が 社会問題化 している。 日本 では
は 約 4 % と少ないが、米国 では 30 % 以上、世界的 には 男性 の 24 %、女性 の
27 % と報告されている。

  原因 としては 遺伝、カロリーの 過剰摂取 などの 食生活睡眠不足りがち
活習慣 など、最近では 腸内細菌 も 関与 すると考えられている。

 肥満 を放置すると、2 型糖尿病、高血圧、動脈硬化、心臓病、脳卒中、肝臓ガン、
胃ガン、食道ガン、睡眠時無呼吸症候群、変形性膝関節症 を 発症 し易いことが知られ
ていて、最近では 認知症 の 発症率 が高いとも 報告 されている。

 そんな中、ジョギング登山ウオーキングソーシャルダンスヨガ の 五つの 運
動  が 遺伝的 に 太り易い人 の 肥満予防 に 有効 である、との 台湾大学の 公衆衛生学 の
リン・ワンユー博士 らの 研究報告 が 話題 を呼んでいる。
 
 研究チームは 30 ~ 70 歳の 1 万 8424 人を 対象に、BMI、体脂肪率、ウエストサイ
ズ、ヒップサイズ、ウエスト・ヒップ 比 から 肥満 遺伝的リスク を 推定、定期的 に
行っている18種類 の 運動肥満予防効果 との 関連性 を検討した。 

 その結果、定期的な ジョギング が 遺伝的 に 太り易い人 の BMI,体脂肪率、ヒップサ
イズを 低く保つ のに最も 有効 であることが分かった。 更に、登山ウオーキング
エクササイズウオーキングソーシャルダンス、長期的 な ヨガ の実践の 各運動 に B
MI を 低く 保つ  効果  があることが分かった。

 しかし、サイクリング、ストレッチ体操、水泳、気功、太極拳、ウエートトレーニ
ング、バトミントン、卓球、バスケットボール、テニス、ダンスダンスレボリューシ
ョン などの 運動 では BMI を 低く 保つ 効果 が 検証 出来なかった。

 サイクリング や バトミントン、バスケットボール、テニス などの ハ-ドな 運動
肥満予防効果 が 確認 出来なかった 理由は 不明だが、肥満予防 には 食事 の 不摂生、
睡眠不足、座りがちな 生活習慣 などが 大き く関与していることから、今回、有効性
が 確認 された、ジョギング登山ウオーキングダンスヨガ などの 運動 は 長
期的に 実践  している人 の ライフスタイル に 影響 を与えているのかもしれない。
 
  これから 運動 を 始める時の 参考 にしてほしい。

                                                  (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

            新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より