フラボノイド ポリフェノール の一種で、お茶 に含まれる カテキンタマネギ に含
まれる ケルセチンリンゴ に含まれる プロシアニジンブルーベリー の 色素成分 であ
アントシアニンオレンジ に含まれる フラバノン大豆 に含まれる イソフラボン
ど 種々の フラボノイド が知られている。

 これまでに 報告 された フラボノイド の 健康効果 は 動脈硬化 の 進行 を抑える 抗酸化
作用免疫力 を 整える 効果、ガン細胞 の 増殖抑制効果、神経 の 鎮静作用、血液サラサ
ラ作用 などが 報告 されている。

 そんな中、毎日 500 ㎎ の フラボノイド を 定期的 に 食事 で 摂取 すれば、全死亡率 、
心臓病 による 死亡率、ガン による 死亡率 を 有意 に下げる、との オーストラリアのエ
ディス・コーワン大学 の ニコラ・ボンドンノ博士 らの 報告 が 話題 を呼んでいる。

 研究チームは デンマーク で行われた 食事・ガン・健康コホート 研究 に 参加 し、調
査開始時点 で、ガン や 心臓病 に 罹患 していない デンマーク人 の 成人男女 5 万 6048
人( 平均年齢 56 歳 )を 対象に、食事由来 の フラボノイド の 摂取量 と 全死亡率、心
血管疾患 による 死亡率、ガン による 死亡率 との 関連性 を 平均 23 年間にわたり 追跡
調査 した。

 調査期間中に 1 万 4083 人の 死亡 が 確認 されたが、その内 4065 人が 心血管疾患に
よる 死亡、6299 人が ガン による 死亡 だった。

 フラボノイド の 摂取量 との 相関 を 解析した結果、フラボノイド の 摂取量 が 多い人
は 少ない人 に比べて ガン や 心疾患 で 死亡 する リスク が 10 % 以上 低い ことが分かっ
た。 また 1 日の 摂取量 を 全フラボノイド 換算で 500 ㎎ 以上とすれば、死亡率 を 下げ
る 効果 が得られることが分かった。

 更に 喫煙者アルコール を 1 日に 20 g 以上 摂取する 対象者 で フラボノイド の 健
康効果 がより 顕著 に 認められたことから、ボンドンノ博士 は 特に 喫煙者アルコー
を よく 飲む人 は フラボノイド の 健康効果 がより 期待 できる点を 強調 する。

 因みに 500 ㎎ の フラボノイド を 摂取 するには、日本茶 1 杯、リンゴ 1 個、オレンジ
1 個、ブルーベリー 100 g 、ブロッコリー 100 g で 十分に 摂取 できる。 しかし、そ
れぞれの 食品 に含まれる フラボノイ ド は その 種類 と 健康効果に違いがあり、複数 の
フラボノイド を 摂取 することが、より 健康的 な 食べ方 であることも 忘れてはならない。

                                                              (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

                新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より