摂取量 増やし 心臓病 リスク 減
 厚生 労働省 は 2015 年、日本人 の 食事 摂取 基準 から コレステロール の 上限値 を
撤廃 した。 血中 総 コレステロール 値 の 70 ~ 80 % が 肝臓 で 生 合成 される コレス
テロール 由来 であるのに 対し、食事 からの 摂取分 は 20 ~ 30 % に 過ぎない。
多くの コレステロール を 食事 で 摂取 したとしても 肝臓 で 生 合成 する コレステロー
ル を 抑制 することにより 血中 の コレステロール 値 は 一定 に 保たれる。

 従って 血中 総 コレステロール 値 は 食事 で 摂取 する コレステロール の 摂取量 とは
関連性 がない ーーー が 上限値 撤廃 の 理由 だ。

 基準 の 撤廃 以前、内科 外来 で 心臓病 の 予防 のために 卵 は 1 日 1 個 以下 と 指導
されることが多かった。 だが、16 年 の 農林 水産省 の 発表 によると、撤廃 後 は 国民
1 人 当たり の 卵 の 平均 消費量 は 1 日 0.9 個 ( 年間 330 個 )で、メキシコ( 同 347
個 )、マレーシア( 331 個 )に 次いで 世界 3 位 となり、毎年 少しずつ 消費 が 増えて いる。

 そんな中、1 日 1 個 以上の 卵 の 摂取 は 心臓病 や 脳卒中 の リスク を 上げない だけ
でなく、アジア 人 には むしろ 心臓病 の リスク を 下げる 効果 がある、との 米国 ハー
バード 大学 公衆 衛生学 の ジャンフィリップ・ドルアンシャルティエ 博士 らの 報告 が
話題 を 呼んでいる。

 研究 チーム は 卵 の 摂取量 と 心臓病、虚血性 心疾患、脳卒中 の 関連性 を 検討 した
33 の 論文 を 総合的 に 分析、米国 在住 の 50 万 3727 人、欧州 在住 の 53 万 1234 人、
アジア 在住 の 68 万 5147 人(  総計 172 万 108 人 )を 対象 に 解析 した。

 その結果、卵 の 摂取量 が 1 日 当たり 1 個 増える 毎 に 心臓病 の リスク が 2 % 、虚
血性 心疾患 の リスク が 4 % 、脳卒中 の リスク が 1 % 減少 することが 分かった。
また、アジア 人 の 場合、卵 の 摂取量 が 1 日 当たり 1 個 増える 毎 に 心臓病 の リスク
が 8 % も 減少 することも 分かった。

 ドルアンシャルティエ 博士は、欧米人 は 肉料理 に 卵 を つけることが 多い のに対し、
アジア では 様々な 料理 に 卵 が 使われる という 食文化 の 違い を 指摘 している。

 卵 料理 は 高齢期 の タンパク 質 の 重要 な  供給源 の 一つ であり、オメガ 3 脂肪酸
や 抗酸化 物質 である エルゴチオネイン などの 機能性 成分 も 摂取 出来る。 最近で
は「 オメガ 3 卵 」「 エルゴチオネイン 卵 」など 認知症 予防 のための 卵 が 開発 され
ている。  栄養学的 にも 優れた 食材 として 日々 の 料理 に 取り入れ たい。

                                               (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

            新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より