新型 コロナ ウイルス は 人 から 人 への 飛沫 感染 や 接触 感染 で 伝染 する。 これ
を予防 する 確実 な 方法 は、無 症状 で ウイルス を 排出 している 感染者 との 接触 を
避ける ことだが、現 段階 では 無 症状 感染者 のみを 隔離 することは 不可能。

 各国 は 政府 単位 で ソーシャル ディスタンス( 社会的 距離 )を ㍍ は 確保 するよ
う 指導 している。 飛沫 の 感染力 が ㍍ 以内 であることが 理由 だ。 会合 や イベ
ント、行事 などで ソーシャル ディスタンス を 保つ と 成り 立た なく なる ビジネス も
ある。 

  一方 で、スウェーデン のように 集団 での 自然 免疫 を 獲得 する ことにより 新型 コロ
ナ を 克服 しようと いう 政策 を進めて いる 国 もある。 とは 言え、多くの 国 で ソー
シャル ディスタンス 政策 が 取られて いることは 確か だ。 世界中 で生活 様式 が 激変
している 所以 である。

 ところが、ソーシャル ディスタンス は 孤独 感 や 幸福 感 に 大きな 影響 を 及ぼし、今
回 の パンデ ミック のような 災害 時 の 社会的 な 支援 活動 にも 影響 を 与える ために、
ヒト が 本来 持っている 回復力、免疫力 や 弾力性( レジリエンス )が 大きく 低下 する、
と 警鐘 を 鳴らす 研究者 がいる。

 カナダ の マギル 大学 医学部 の ダニロ・ブズドック 博士、英国 の オックス フォード
大学 実験 心理 学部 の ロビン・ダンバー 博士 だ。 ソーシャル ディスタンス 政策 が
長期化 すれば、孤独 による 認知 機能 の 低下、慢性病 の 悪化、平均 寿命 の 短縮 が 起
きる だろう、とも 予測 している。

 これまでの 研究 では、人 と 人 の 直接 の 触れ 合い は 免疫系 を 向上 させ、収縮 期
血圧 や BMI( 体格指数 )、炎症性 バイオ マーカー である CRP を 低下 させ、更には
うつ 病 の リスク 低減、死亡 リスク の 低下 も 報告 されて きた。

 特に 高齢期 の 認知 機能 に 関しては、社会的 刺激 が 推論 と 記憶 の パフォーマンス
の 上昇、大脳 の 灰白質( 大脳 皮質 )と 白質 の 機能 維持、ホルモン の 恒常性 の 維持
などに 関与 していることが 報告 されている。

 緊急 事態 宣言 が 解除 されても、デイ サービス の 利用 などを 再開 できない 高齢者
が 沢山 いると 思う。 オンライン 化 が 進ん でも、そこに シフト できない 高齢者 も
多い だろう。 新型 コロナ 感染 リスク と 認知 機能 低下 リスク、どちらが 重要 かを
判断 しなければ ならない 時代 だ。 

 ともあれ、治療薬 と ワクチン の 早期 開発 を 期待 する しか ない。

                                                      (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

          新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より