極端 な 食生活 は「 両刃 の 剣 」
 動物性 の タンパク 質 を 摂取 しない 食習慣 全般 を 菜食主義( ベジタリアン )と
呼んで いるが、動物性、魚介類、卵、乳製品、蜂蜜 など 全て の 動物性 タンパク 質
を 一切 摂取 しない ビーガン( 完全 菜食 )から 卵 や 乳製品 は 許容 している 欧米型
の 菜食 主義、玄米 菜食 で 魚 を 許容 している 日本式 マクロ ビオティック まで 様々
な 菜食 主義 が ある。 また、宗教的 な 理由 で 肉食 を 禁じて いる ヒンズー 教 など
の 宗教 もある。

 菜食 主義 の 健康 効果 を 巡っては、これまでの 研究 で ガン や 糖尿病、肥満、高
血圧、心臓病 と いった いわゆる 生活 習慣病 や 認知症 の リスク が 低下 すると 報告
されてきた。

 その一方で、高齢期 には 動物性 の タンパク 質 を 積極的 に 摂取 すると サルコペ
ニア( 筋肉 減少症 )が 予防 され、転倒 リスク が 減る とも 報告 されている。 そ
こで話題 になっているのが、菜食 主義者 は 肉食 主義者 と 比べ 肥満度 が 低く 内向
的 な 性格 傾向  が ある との 研究 報告 だ。

 ドイツ・ライプチヒ の マックスプランク 認知 脳 科学 研究所 の エベリン・メダバー
博士 らの 研究 チーム は、ライプチヒ で 2011 年 から 14 年 に かけて 行われた「 LIF
Eー成人 研究 」に 参加 した 8943 人 を 対象 に、菜食 主義 と 肥満度( BMI )、精神的
鬱 状態 の 有無、内向性 などの 性格 傾向 との 関連性 を 調査 した。

 調査 では 肉 や 魚、卵、乳製品 の 摂取 頻度 から 菜食 主義 の 程度( 動物性 タンパ
ク 質 の 制限 の 程度 )を 7 段階 に 分類 し 関連性 を 検討 した。 解析 の 結果、菜食
主義 の 程度 が 高いほど BMI が 低く、内向的 な 性格 傾向 が 強い ことが 分かった。
しかしながら、菜食 主義 の 程度 と 精神的 な 鬱 状態 との 関連性 は 見いだせ なかっ
た。

 ビタミン B12、オメガ 3 脂肪酸、ビタミン D は 動物性 食品 に 豊富 に 含まれている。
何れの 栄養素 も 脳 の 神経 細胞 の代謝 に 重要な 役割 を 果たしている ことが 知られ
ている。 中年期 には 生活 習慣病 を 予防 することが 重要 だが、高齢期 になると 認
知 機能 や 骨 密度、足腰 の 筋力、精神的 な 幸福感 を 維持 することが 健康 長寿 のた
めには 必要 となる。

 多くの 菜食 主義者 は 若い頃 から 食生活 の スタイル として 菜食 主義 を 選択 して
いると 思われるが、高齢期 には 栄養 学的 な 観点 からも 栄養価 の 高い 動物性 の 食
品 を うまく 取り 入れる 工夫 が 必要 に なるだろう。

                (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

         新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より