バランス の 良い食事 で 予防
 糖尿病 や 高血圧 が 認知症 の 発症 リスク に なっている ことが 最近 の 研究 で 次々
に 報告 され、生活 習慣 が 認知症 の 発症 に 重要 な 役割 を 果たしている ことが 知ら
れている。

 一方で 肥満 は これまでの 研究 で 高 血圧 症、高 脂血 症、動脈 硬化 症、睡眠 時 無
呼吸 症候 群、痛風 や ガン の 発症 リスク に なると 報告 されて いたが、認知症 の 発
症 に 関しては 明確な 関連性 が 報告 されて おらず、議論 が あった。

 肥満 と いえば、世界 保健 機関( WHO )は「 高 カロリー 食品、動物性 脂肪、ファ
ストフード、砂糖 の 添加 された ジュース の 過剰 摂取 が 原因 」と し、肥満 を「 食
源 病 」と 位置 付け ている。 食 生活 の 急激 な 変化 の 影響 により、米国 のみ なら
ず 東欧 や アジア でも 肥満 が 増加 傾向 に あり、グローバル な 医学的 問題 へと 発展
している。

 そんな中、中高年 に なると 肥満度 を 示す BMI( 体格 指数 )が 30 以上 の 人 は
25 未満 の 人 に 比べ、認知症 の 発症 リスク が 34 % も 高い と 報告 され、話題 に
なっている。

 英 大学 の ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン( UCL )の ドリナ・カダール 博士
らの 研究 チーム は、英国 の 加齢 研究 に 参加 した 50 歳 以上 の 中高年 6582 人 を
対象 に BMI と 腹囲、認知症 の 発症 の 関連性 を 平均 11 年間 に わたって 追跡 調査。 
この内 453 人( 6.9 % )が 調査 期間 中 に 認知症 を 発症 し、とりわけ BMI 30 以
上 では 18.5 以上 25 未満 の 正常 体重 の 人 に比べて 認知症 の 発症率 が 34 % 高か
った。

 今回 の 研究 により、これまで 報告 されてきた 発症 リスク、例えば 糖尿病、高血
圧、アポE 遺伝子 型、喫煙、運動 不足、婚姻 状態、学歴 と いった 要因 とは 独立 し
た 認知症 の 発症 リスク で あることが 分かった ことになる。

 また、女性 に ついては、腹囲 が 88 ㌢ 以上 の「 内臓 脂肪型 肥満 」( リンゴ型 肥
満 )は、腹囲 が 88 ㌢ 以下 の「 皮下 脂肪型 肥満 」( 洋ナシ型 肥満 )より 39 % も
認知症 の 発症 リスク が 高い ことが 判明 した。

 内臓 脂肪型 は、内臓 脂肪 から アディポ ネクチン という ホルモン の 分泌 が 低下
する ことが 知られ、これは 脳 血管 の 内皮 細胞 に 作用 して 保護 作用 を 示す こと
から、脂肪 細胞 の 代謝 が 認知 機能 の 維持 に 影響 を 与えている 可能性 がある、
と 博士 は 指摘 する。

 ともあれ、砂糖 や 小麦粉 などの 糖質 を 控え、食物 繊維 の 豊富 な 野菜 や 肉、魚、
卵、大豆 などの タンパク 質 を バランス 良く 摂取 し、肥満 に 関連 した 病気 を 予防
したい。

                           (白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)

           新聞コラム Dr. 白澤 ” 100 歳への道 ” より