意識 の レベル を 上げる には 水分 しか ない
 認知症 改善 は 水 に 始まり、水 に 終わる と 言っても 過言 では ありません。
 プロローグ でも 触れた ように、人体 の 殆どを 構成 している 要素 が 水分 で
す。
 何故、人体 が そのような 構成 になっている のかは まだ 明らか では ありませ
ん。 しかし おそらくは、生命 の 始まり が 海 の 中 で あり、そこで 誕生 した
小さな 生命 が 進化 を 遂げて、人間 を 含む あらゆる 生き物 と なって いった こ
とに 関係 している のでしょう。  生命 の 源 は 水 から 生まれて いる のです。

 したがって 水 が 足りなく なれば、生き物 は 生命 の 危機 に 陥ります。 体 の
水分 の 10 %、たった 1 割 が 失われた 時点 で 死 に 至り ます。
  
水分 は、体細胞 の 活性化 と 深く 関わって いる
 水分 は 体内 で 非常 に 重要 な 役割 を 果たして います。 現段階 で 明らか に
なって いることは、水分 が 細胞 の 活性化 と 深く 関係 している ということ です。
 水分 が どのように 体内 で 機能 している かに ついては、全てが 解明 されて い
る わけでは ありません。

 しかし、実は 化学的 には メカニズム が 解明 されて いない ものは、現在 でも た
くさん あります。 例えば、「 麻酔 」。 医療 現場 でも 当たり 前 のように 使用
されて いますが、何故、人間 が 麻酔 で 意識 を 失って しまう かの メカニズム は
分かって いません。

 完全 には 解明 されてない とは いえ、水分 が 体内 の 細胞 で 大きい 働き を して
いるのは 事実 です。
 体内 の 水分 の 6割 は 細胞 の 中に あって、細胞内 の 様々な 働き を 支えて いま
す。  残り 4割 の 水分 は 血液 や 体液 として 体内 を 巡り、細胞 に 酸素 や 栄養素
を 供給 したり、細胞 活動 によって 出てきた 老廃物 などの 回収 を 行ったり して い
ます。
 また 細胞 は タンパク 質 と 水分 で 構成 されて います。 食物 の タンパク 質 が
体内 で 分解 される 際に 必要 なのが 水分 なの です。 

 体内 の 水分量 が 減る という ことは、こうした 機能 が 全て 上手く 働かなく なる
と いうこと です。
 脱水 により、脳細胞 の 活動 が 落ちて 覚醒 レベル が 落ちる、筋肉 細胞 が 働く力
を 失って 身体 活動 の レベル が 落ちる。 認知症 の 人たちに 見られる 不活性 は、
慢性的 に 水分 が 足りて いない から なのです。

夜 に 問題 行動 が 起き やすい のも 水分量 が 減る から
 また 脱水 症状 は、夕方 から 夜 に かけてが ピーク と なります。 朝 の 起きぬけ
は 体 の 活動 も それ程 活発 では ないため、水分 バランス が 急激 に 崩れる こと は
ありません。
 ところが 日中 は 臓器 も 活発 に 働き、体 を 動かして 活動 したり することで 水分
が 使われて いきます。 そこで 充分 な 水分 補給  が出来て いない と、夕方 ぐらい
に バランス が マイナス に 傾いて しまい ます。

 夜間 せん妄 など、夜 に なるほど 興奮 する といった 問題 行動 が 出て くる のは こ
うした 背景 が あるため です。 体内 の 水分量 が 減り 過ぎて「 意識 」が おかしく な
って くるから なのです。


 その 関係性 を 理解 して いると、周り を 困らせる 行動 も「 脱水 を 起こして いるか
ら こうなる のだ 」と いうことが 分かって きます。 実際 に、夜間 せん妄 を 起こして
いる 場合、十分な 水分 補給 をすれば、およそ 1 ~ 2 日 で 症状 がとれて しまう ケース
が 少なく ありません。

 暴れる、徘徊 する といった テンション の 高い 問題 行動 だけで なく、終日 ぼんやり
して 反応 が 殆ど ない、顔つき に しまり が ない、歩き方 が 覚 束ない と いった 低 テン
ション の 症状 も 変わって きます。 高 テンション の 問題 行動 も、テンション の 低い
症状 も、どちらも 根っこ の 原因 は 同じ、水不足 による 意識 障害 である から です。
 
 認知力 を 支えて いる「 意識 」をまず 覚醒 させる。 そこに おいて、水 が 如何に 重
要 か お分かり いただける でしょう。


   竹内孝仁 ” ボケの8割は「水・便・メシ・運動」で治る ” より